OCEANS

SHARE

SR400ファイナルエディション(写真:ヤマハ発動機)
SRに限ったことではなく、コロナウイルスの流行で個人が移動できるモビリティとしてのバイク需要が高まっているところへ、半導体不足などによる急速な供給減が重なっているため、どのモデルも新車の投げ売りは影を潜め、中古バイクの相場も上がっている。

そもそもSRとは?

SRの登場した1978年からほどなくして、日本のバイクシーンはサーキットでタイムを競うレーサーレプリカの全盛期に突入した。
ヨーロッパで人気の高いオフローダーである「ヤマハXT」とエンジンなどを共有していたこともあって細々と販売を続けていたが、空冷単気筒エンジンをスチールフレームに積んだシンプルな軽量スポーツバイクであるSRに、当初から注目が集まったわけではなかった。
SR400ファイナルエディション(写真:ヤマハ発動機)
脚光を浴び始めたのは1980年代の終わりだ。「カワサキ・ゼファー400」などの登場により、フレームやエンジンを包むカウルを持たず、アップハンドルで乗りやすいネイキッド・モデルの人気が出始めたことと、ファッションに敏感な層が“カフェレーサー”としてのSRに注目し始めたためである。
長く販売が続けられたことにより、社外からさまざまなカスタマイズパーツが売り出されたことで、オーナーたちが個性を演出できることも歓迎された。
現在のSR400に乗ってみると、基本構成が1970年代のままなので、ハンドル上のスイッチ類やメインフレームの溶接痕など、昭和レトロの感じがプンプンする。
小さくて、愛らしい。愛玩動物を抱きしめたときのように、幸せホルモンとも呼ばれる“オキシトシン”が体中に湧き出すのを感じ、筆者はこのバイクをどうしても入手したくなってしまった。 


3/3

次の記事を読み込んでいます。