さて、愛子さんは非常に活発な子供だったそうだ。
「小学校の頃は、学校から帰ったら男の子も女の子も近所の神社に集まって水風船を投げ合ったりしていました(笑)。あとは、『色鬼』とか。『色鬼』わかりませんか? 鬼が指定した色のものに触ると安全っていう遊びです」。
そして、愛子さん。なんと中1で芸能事務所に入る。
「『デビュー』っていう雑誌の『夏の特別オーディション』に応募したんです。親に内緒で。小学校のときから、そういう仕事をやりたいと思っていて」。
それに受かったところ、事務所から「お母さんと一緒に来て」と言われた。芸能活動に反対していたお母さんも、こうなると一転、応援してくれるようになったそうだ。
「最初はCMのエキストラとかが多かったんですが、名前が残ることといえば高1のときに『ミスヤンマガ』の準グランプリに選ばれたことでしょうか」。
ちょっと、すごいじゃないですか。
「レッスンとかでだんだん忙しくなって、高校に行く意味あるのかなと。結局、入学して1、2カ月で辞めちゃいました。でも、途中からフランスパンの食べ過ぎで太っちゃって(笑)。マネージャーから『痩せろ痩せろ』と言われるのが嫌で、芸能活動を引退しました」。
愛子さんを夢中にさせたのは、武蔵小杉にあった「パンドーラ」という店のフランスパン。『TVチャンピオン』のパン選手権にも出場した名店だったそうだ。
現在の趣味はカフェ巡りだ。
「二宮とか国府津とかに行くと、ちっちゃいカフェが点在しているんです。古民家的なお店が多くて素敵だなと思います。将来はそういうお店を出せたらなと。看板メニューはホットサンドです(笑)」。
ここで、店長兼シェフの常盤木 将さん(31歳)にご登場いただこう。愛子さん、いかがですか?
「とにかく、裏表がないです。3年前のオープニングから一緒に頑張ってきたので、完全に信頼しています。ホットサンドのカフェですか? それ、ずっと言っていますが、うちのホットサンドレシピは全然考えてくれないんですよ(笑)」。
テラス席を絶賛すると、「晴れていると富士山も見えるんですよ」。
そうそう、3+3の由来も教えてもらった。いわく、「産地と産地を結ぶ」、「食を司る太陽が燦々と輝く」、「〇〇さんと〇〇さんが出会って素敵な笑顔が生まれますように」など、複数の意味が込められているそうだ。さらに、後付けで6階という立地にもつながった。
そんなこんなで、愛子さんの仕事タイムが終了。恒例(?)の私服チェックで取材を終えるとしよう。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
【取材協力】3+3 CAFE住所:神奈川県藤沢市本町1-12-17 Fプレイス6F電話:0466-23-3939https://3tasu3.com「看板娘という名の愉悦」Vol.163好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
上に戻る >
連載「看板娘という名の愉悦」をもっと読む
石原たきび=取材・文