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■『シャイニング』から『トランスフォーマー』まで出演多数

フォルクスワーゲン ビートル
starring:フォルクスワーゲン ビートル
『フットルース』『俺は飛ばし屋』『ハービー/機械じかけのキューピッド』等々、多数の映画に出演しているトップスターが、フォルクスワーゲン タイプI、通称「ビートル」だ。
ポルシェ博士が開発したまさに「国民車=Volks Wagen」の祖と言える一台。その形から本国ドイツでは「ケーファー(カブトムシなどの甲虫類)」と呼ばれ、アメリカでは「ビートル」や「バグ」として親しまれた。
本国では1978年に生産が終了したが、人気の高かったメキシコでは2003年まで生産が続けられるなど、世界中で愛された。
落ち目のレーシングドライバーとともに冒険するコメディ映画『ラブ・バッグ』から、主人公の新しい人生のきっかけとなる事故を起こす『ドント・ウォーリー』でのシリアスな役まで、幅広いキャラクターを演じ分ける名優だ。
ホラー映画『シャイニング』では、ジャック・ニコルソン演じる主人公とその家族を、恐怖の現場となるホテルへと導いていく黄色いビートルの姿が、冒頭に空撮の引きの絵で描かれている。

最近では『トランスフォーマー』のスピンオフ映画『バンブルビー』で、黄色いビートルが、バンブルビー役を演じた。
中古車の台数は少ないが、それでも100万円くらいから見つけることができる。
 

■『カリオストロの城』で宮崎 駿も認めた

シトロエン 2CV
starring:シトロエン 2CV
『ルパン三世』と言うと黄色いフィアットの500があまりにも有名だが、シトロエンの「2CV」もまた印象的な役を演じていた。
日本、いや世界の長編アニメ映画の金字塔『カリオストロの城』だ。
クラリスが追っ手から逃れるためにウェディングドレス姿のまま2CVを走らせた。ルパンとクラリスが初めて出会う冒頭の重要なシーンで採用されたのは、2CVが宮崎駿監督の愛車であったことと無関係ではないだろう。
2CVは戦後間もない1948年に販売されたフランスの国民車。「50kgのジャガイモを積める」「カゴに入れた卵を割らずに走れる」「女性でも運転ができる」「広い室内」など厳しい要件を掲げて農村向けに開発された。
当時のモーターショーではその奇抜な形から「ブリキ小屋」や「缶詰」などと酷評を受けたが、あっという間にベストセラーとなったことは有名な話。

いみじくも開発要件のひとつ「女性でも運転ができる」をクラリスは証明しているが、さらに追っ手とのカーアクションを演じられるほど、意外と走りが得意でもある。2CVオーナーである宮崎監督だからこそ描けたシーンなのかも知れない。
得意の走りは映画『007/ユア・アイズ・オンリー』でも発揮されている。ボンドガールの愛車という設定で、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)の運転によって敵のプジョー504とのカーアクションを演じた。
中古車台数はかなり少なく、200万円前後となる。
 
籠島康弘=文


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