突然ですが、ここで問題。
このオニヤンマ型のキーホルダーは何に使うものでしょう?
正解は……虫除け!
でもこれが何故虫除けになるのだろうか。考案したウォーターサイドピーターパンの代表、大西慎太郎さんに聞いてみた。
「オニヤンマは日本最大のトンボ。肉食のため、ほかの昆虫にとっては天敵となる虫です。オニヤンマは黒と黄色の体をしていますが、これは自然界では警戒色なんです。人間にとって害虫となるアブや蚊は、この色を見ると近づいてこないんです」。
なるほど、たしかにトラや蜂など黄色と黒のボディをしている生物には危険なヤツが多い。オニヤンマも小さな虫たちにとっては命を脅かす危険な敵となるわけだ。
ということは、特別な虫除け成分が配合されているわけではないんですか?
「はい、ただのキーホルダーです。畑のかかしのようなものだと思ってください。虫たちに視覚的に働きかけて、近づきにくくさせているんです」。
キーホルダーはラバー製。8gと軽く、耐久性や耐水性にも優れている。より本物らしさを追求して作ったと大西さんは話す。
でもただのキーホルダーで、害虫たちを騙せるんでしょうか……。
「昔、僕の祖父が釣りに行くときに、いつも黒と黄色の『トラロープ』をリュックに結んで付けていたんです。この虫除け対策は森に入る仕事をしている人たちの間でも有名でした。
キーホルダーを作るきっかけとなったのもこのエピソードを思い出したから。今思えば、祖父は虫の習性をよく分かっていたんだと思います」。
森を熟知した人もやっているとなれば、かなり信憑性が高そうだ。事実、大西さん自身、釣りに行く際にこのキーホルダーを付けると、アブが生息するポイントで刺されずに済むという。
避けられる(とされる)虫は、アブや蜂、蚊、カメムシなど害虫全般。釣りやキャンプなどの自然が多い場所のほか、公園や街歩きのときにも使える。薬剤を使っていないので、ベビーカーや子供のバッグに付けても安心だ。ちなみにこのキーホルダーと同じデザインのステッカーも販売されている。
とはいえ、もちろん100%虫除けできるわけではないので、自然の多い場所では肌を露出させないなど、基本的な虫除け対策をしたうえで利用してほしい、とのこと。
それにしても発想自体が面白いし、好奇心もそそられる。ということで、物は試しにいちど使ってみる価値は十分ありそうだ。
[問い合わせ]ウォーターサイドピーターパンhttp://w-s-p.shop-pro.jp/齋藤久美子=文