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“普遍のクラシック”になるまでの40年

デビューから1980年代にかけて、「ノーチラス」は今のような爆発的なヒットには遠かった。しかし、一部の愛好家の間で圧倒的な支持を集めていた。
1981年に登場したパテックフィリップのノーチラス「Ref.3800/1」は初代よりひと回り小さな38mm径のケースを採用していた。
1981年に登場した「Ref.3800/1」は初代よりひと回り小さな幅で、37.5mmのケースを採用していた。
ブームの礎の築いた要因のひとつである当時の広告キャンペーンにも改めて触れておこう。
明瞭なキャッチコピーとキービジュアルは、「ノーチラス」の革新的なコンセプトを伝えるうえで絶大な効果を発揮した。
「世界で最も贅沢な時計のひとつは、スチールで作られている」という名コピーが添えられた初期の広告。
「世界で最も贅沢な時計のひとつは、スチールで作られている」という名コピーが添えられた初期の広告。
1990年代に入ると、世界的にスポーツウォッチの需要が高まり、本格的な機械式時計ブームが訪れる。
パテック フィリップは1997年に“第2のスポーツウォッチ”として「アクアノート」を発表。これが追い風となり、「ノーチラス」の人気も加速していく。
1998年発表のノーチラス(Ref.3710/1A)。ローマンインデックスを採用した文字盤は今見ても新鮮。
1998年発表の「Ref.3710/1A」。ローマンインデックスを採用した文字盤は今見ても新鮮。
潮目が変わったのは、ノーチラス生誕30周年を記念する2006年。
今もなお爆発的な人気を誇る3針モデル「Ref.5711/1A」、ムーンフェイズを備えた「Ref.5712/1」、シリーズ初のクロノグラフ「Ref.5712/1A」などが揃い、「ノーチラス」のコレクションに振り幅と厚みを与えた。
ブームを築き上げた最大の立役者「Ref.5711/1A」のブラック・グラデーションのブルーダイヤル。
「ノーチラス Ref.5712/1A」SSケース、40mm径(10時-4時方向)、自動巻き、517万円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109)
現在は廃盤になっているステンレススチール製のクロノグラフ「Ref.5980/1A」。ローズゴールドやコンビケースのモデルは現在も販売中。
この時点で立証されたことは、革新的なスポーツウォッチであった「ノーチラス」は幾度かの変遷を経て、パテック フィリップの主要コレクションの代表へと成長を遂げたという事実である。
グランド・コンプリケーションと呼ばれる最上位機種として、2018年には永久カレンダー搭載モデルが発表されたことからも、ブランドにおける現在の立ち位置が窺い知れるだろう。
「ノーチラス Ref.5740/1」18KWGケース、40mm径(10時-4時方向)、自動巻き、1548万8000円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 03-3255-8109)
40年以上の時を経て「ノーチラス」は“普遍のクラシック”となった。その真価を、時計が持つ品質や機能だけで論じることはもはや不可能だ。それを何よりも雄弁に語るのが、市場価値なのだろう。
そして2021年1月。長らく「ノーチラス」の人気を支えた「Ref.5711/1A」のブラック・グラデーションのブルーとホワイトダイヤルの生産終了というアナウンスが告げられた。そして、さらには……。
次回は、途切れないニュースを追いつつ、現況をまとめてみたい。
7月18日(日)11時公開▶︎「パテック フィリップ「ノーチラス」。度重なるニュースが落ち着いた今の状況を俯瞰してみた」
[問い合わせ]
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
03-3255-8109

戸叶庸之=文


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