OCEANS

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聞けば、おふたりともこの店は初来店だという。
「いただいたお食事は『ナシゴレン』や『アジアンポテトフライ』など。あ、『レモングラスジャスミンハイ』もとても美味しかったです」。
犬とも戯れたところで笑美子さんにインタビュー。人前に出るのが苦手な子供だったそうだ。『テニスの王子様』の影響を受けて、中学では軟式テニス部に入部する。
「中学でもまだまだ注目されるのが苦手で。授業中に手を上げるのさえ無理でした(笑)」。
変わったのは高校時代から。どこのグループにも属さないという笑美子さんのスタンスをクラスメイトが受け入れてくれたことが転機になった。
「硬式テニス部に入ったんですが、顧問の先生や先輩たちとは今でも連絡を取り合っています。先生がレンタカーを運転して沖縄観光もしました」。
美ら海水族館でのひとコマ。
最近の趣味は猫カフェ巡り。半日以上いることも珍しくないそうだ。
「この子たちに癒されています」。
さらに、熱く語ってれたのは「チョコレートへの思い」。
「家に料理の本がたくさんあったので、小学生の頃からそれを見ながらお菓子を作っていました。なかでも、チョコレートが何よりも好きです」。
東京で食べられるベストチョコレートは代々木公園の「ミュゼ・ドゥ・ショコラ・テオブロマ本店」にあるという。
「チョコレートももちろん美味しいんですが、チョコレート入りのシュークリームが最高。『味覚の魔術師』と呼ばれる土屋さんというショコラティエが、とにかくすごい方で」。
というわけで、元々は系列の「東京ガーデンテラス店」で店長代理として働いていた笑美子さん。しかし、コロナの影響で店舗が休業中のため、10日ほど前からここ立川店にヘルプとして通っている。
店長兼マネージャーの大橋雅行さん(40歳)は、頼もしい助っ人についてこう言う。
「常に笑顔だし、料理の知識もしっかりある。さらに、僕らの業界では『レコグニション』と言いますが、お客様の顔や好みや好きな席などを覚えて、次にご来店されたときの接客に活かせる人です」。
褒められまくってますよ。
一方で、笑美子さんは「バーのグラスとレシピが店ごとに違うので、立川店のオリジナルメニューを早く覚えたい」と課題を語る。
多数のお酒がお揃う立川店のバーコーナー。
さて、接客・飲食業が天職だと思われる看板娘の意気込みを聞いたところで、お会計をしよう。
次はこの席に座りたい。
最後に読者へのメッセージをお願いしますね。「イラストは苦手で」というところを無理強いしてすみません。
猫ちゃん、かわいいじゃないですか。
【取材協力】
アジアンビストロ ダイ(Dai) 立川グリーンスプリングス店
住所:東京都立川市緑町3-1 GREENSPRINGS 1F-E2-107
電話:042-519-3379
https://greensprings.jp/shop/asianbistro_dai/
「看板娘という名の愉悦」Vol.157
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文


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