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さて、桜子さんは大学2年生。しかし、コロナ禍の影響で授業はオンライン。大学にはほとんど登校していないという。
「上京したのも去年の8月。このお店は店頭の求人チラシを見て応募しました。店長をはじめ、みんな優しくてすっごい楽しいです」。
その店長、大森 直さん(24歳)が言う。
「人当たりがいいから飲食業、接客業に向いていますね。お客さんには常に笑顔で対応してくれるし、人と喋るのが好きなんでしょう。面接? 即採用ですよ。その場でシフトを組みました(笑)」。
身長差に注目。
桜子さんは140cm、大森さんは180cm。じつに40cm差の相棒だ。しかし、桜子さんいわく、「今年2mm伸びたんですよ。ふふふ」。その調子で行けば、50年後には150cmになりますね。
じつは桜子さん、大の肉好き。この職場を選んだのも美味しい賄い目当てでもある。
本人いわく「好きな賄いランキング1位説が強い」というユッケ丼。
子供の頃の写真も見せてくれた。
家族でプールに行ったときの記念写真。
「小学生時代は、おじいちゃんとおばあちゃんがやってる駄菓子屋さんに通っていたんです。AKBにハマっていて、とくに篠田麻里子が好きで、くじ引きのカードを毎日買っていました」。
南アルプス市といえば富士山のお膝元。当時は当たり前の風景だったが、上京してからは、帰省するたびに「富士山っていいな」と思って写真を撮るそうだ。
常にそこにある荘厳な山。
勉強は苦手だったが、「制服がかわいいから入りたい」という理由で猛勉強。甲府市内の県立高校を受験し、みごと合格した。軽音楽部に所属し、女子6人組のバンドを組んだ。
「バンド名は『Twinkle』で、キーボード担当でした。子供の頃からずっとピアノを習っていたんですよ。演奏するのは、ワニマとかいきものがかりとかのコピー曲です。たまに、合いの手とかは入れてました」。
合いの手というか、いわゆるコーラスですね。
高校2年生のときの学校内でのライブ。
高校時代の楽しかった思い出のひとつに修学旅行もある。
「沖縄に行ったんですが、ソーキそばやアイスのブルーシールが美味しくて感動しました。どっちも、甲府にないので」。
女子高生、ジャンプしがち。
では、最後に読者へのメッセージをお願いします。
右上は店長の大森さんだそうです。
【取材協力】
ホルモン タンセイ
住所:東京都北区十条仲原1-25-13
電話:03-5948-9330
www.yakiniku-tansei.com/jujo/
「看板娘という名の愉悦」Vol.157
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。
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石原たきび=取材・文


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