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[フルサイズ]

■不動の王者
フォード F-150


アメリカでの年間販売台数で、不動の1位であり続けるフルサイズがF-150だ。2020年は78万7422台と、2位のシルバラードより20万台以上も多く売れている。初代Fシリーズが登場したのは1948年。以来70年以上も生産され続ける。
最新モデルは通算14代目で、2020年にフルモデルチェンジされたばかりの最新型。
厚みのあるフロントフェイスと大型グリルはFシリーズの伝統だ。そこにL字型のLEDデイライトが組み合わされ、先進的なイメージが高められた。

パワートレインは5L V8、3.5L V6ターボ、3.3L V6などに加え、3.5L V6にモーターを組み合わせたフルハイブリッドモデルをラインナップ。ピックアップトラックでハイブリッドが設定されているのはF-150だけだ。
ハイブリッドモデルはF-150の中で最もパワフルで、牽引能力は1万2700ポンド(約5.7t)にもなる。
車体についた高解像度のカメラ映像をもとに、どの方向にステアリングを切ればトレーラーを真っ直ぐバックさせられるかをガイドするトレーラーリバースガイダンスも装備されている。
電気自動車ver.のF-150ライトニングも2022年にリリースされる予定だ。
伝統と革新が融合したF-150は、文字通りアメリカを象徴する車と言えるだろう。
 

■シボレーで最もタフなやつ!?
シボレー シルバラード


1960年からフルサイズピックアップトラックを製造していたシボレー。1999年からラインナップするのが、シルバラードだ。
現行型は2019年にデビューした4代目。GMCブランドからは兄弟モデルのシエラが発売されている。
1973年にデビューした先祖となるC/Kシリーズは縦型4灯のヘッドライトを採用。以来、このデザインがシボレーフルサイズピックアップのアイデンティティになっている。
最新モデルもグリル中央を横切る大きなラインを境にした4つのライトで伝統を受け継いだ。
エンジンは6.2L V8、5.3L V8、4.3L V6、2.7Lターボ、2.7L と3Lのディーゼルと、多彩。
荷台のゲートはリモコン操作が可能なパワーゲートや、ライバルのF-150同様、カメラを使ってトレーラーを操作するガイド機能も用意されている。
2021年4月にはシルバラードの電気自動車が製造されることが発表された。

ちなみにシルバラードは2020年にアメリカで58万6675台販売されてランキングはフォードFシリーズに続く第2位。
ただ、兄弟車のGMCシエラが25万3016台売れているので、両車の合計販売台数はFシリーズよりも多くなる。
 

■守備範囲の広い
ラム ラム1500


かつてダッジラムの名称で販売されていたフルサイズピックアップトラック。2009年からはダッジブランドから独立し、ラムというブランドになった。
日本では1990年代にバンとともにダッジラム(ラムトラック)やSUV版のデュランゴがブームになったこともある。
最新モデルとなる5世代目ラムは2019年にデビュー。その姿は’90年代から続くボンネットやグリルに丸みがある伝統的なスタイルを継承。往時のラムを知る人たちは懐かしく感じるだろう。
一方でヘッドライトがLEDになり、精悍なイメージも同居。ライバル同様、カメラを使ってトレーラーを操作するガイド機能も用意された。

パワートレインには伝統のHEMIと呼ばれる5.7L V8のほか、3Lディーゼル、さらにマイルドハイブリッドシステムを組みあわせた5.7L eTorque HEMI V8もラインナップされている。

グレードバリエーションも、スポーティなTRX、アウトドア派のレベル、ラグジュアリーなララミーなど幅広い。
タフギアでありながらラグジュアリーカーとしての役割も果たす、アメリカでのピックアップトラックのあるべき姿を体現したようなモデルなのだ。
 
高橋 満=文


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