■“縦目のSL”のラグジュアリーなオープン
メルセデス・ベンツ 280SLSLとはドイツ語のSportLeicht(軽量スポーツ)を意味する。あの石原裕次郎も所有した、ガルウイングの300SLがその始まりだ。
その後アメリカ市場で大人気になり、以降SLシリーズは同社を代表するオープンスポーツカーとなっていった。
こちらの230SL(W113型)は、2.3Lの直列6気筒エンジンが搭載されたので230SLとなったが、その後排気量の拡大に合わせて250SL、280SLへと発展していった。写真は最終型の280SLだ。
全長4285mm×全幅1760mmと、現代基準で考えたら十分コンパクト。堅牢なボディと重厚な乗り心地、エレガントな内外装と、「軽量スポーツ」というよりは、ラグジュアリーなグランドツーリングカーといったほうがピッタリくる。以降SLはこの路線を歩むことになる。
籠島康弘=文