いささか早いが、気持ちいい夏に向けた布石を打っておこう。解放感へのパスポートともいうべきサングラス。それは強い紫外線を遮る実用性以上に、身に着けるだけで気分を変えるチカラを持つ。
一方、いざ外した際の“やり場”には困った困った。とりわけ散歩のような、手ぶらがよろしいときには。
そこに鋭い目を向けたのが、ご存じアイヴァンとデザイナー宮下貴裕さんによるニュータッグ。なんと、伸びるテンプルという新しくも単純明快な手法で、悩ましきポジショニング問題をあっさり解決してくれた。
一見トラディショナルなボストンタイプだが、モダンを引くとテンプル内部のメタルパーツが引き伸ばされて首などに引っ掛けることが可能に。
これは、宮下さんがヘッドホンを首に掛ける仕草から着想を得たというから面白い。
そこにはグラスコードのようなトゥーマッチ感はなく、バッグに入れてうっかり傷がつく心配もない。この身軽さと手軽さが実にイイ。着用時だけでなく、外したときもフィットする。
いつだって快適なサングラスが、今夏のポールポジションに躍り出ている。
島津 明(W)=写真 来田拓也=スタイリング 向後信行(JANEiRO)=ヘアメイク 増山直樹=文