1980年代に巻き起こったデニムブーム。流行にひと役買ったブランドのひとつにはディーゼルが挙げられるだろう。
当時のディーゼルは、イタリア製をゆえんとした品質の良さやバリエーションの多さ、凝った加工などでデニムに新たな価値を見出し、圧倒的な人気を集めていた。
そんな80年代のヘリテージを現代に蘇らせたコレクションが誕生した。
「ディーゼル・フォー・ディーゼル」と名付けられたコレクションだが、ただ“リバイバルしただけ”ではないという。
どういう意味? ディーゼルジャパンのプレス担当、桑野宏一郎さんに詳しい話を聞いてきた。
決して懐古主義ではないクリエイティブ
「このコレクションは、創始者のレンツォ・ロッソが80年代に作っていたディーゼルのヘリテージ的アイテムを現代に復活させたいという思いから生まれたんです。とはいえ、特定のモデルをただリバイバルしただけでは面白くない。
そこで、1980年代〜90年代頃のコレクションに、現代風の新たなシルエットやグラフィックを加え、21世紀仕様にアップデートしているんです」。
例えばこのデニムジャケットは、1980年代後半のいくつかのコレクションからヒントを受けデザインされているという。
「アメリカ・サンタフェのフリーマーケットで見たジャケットにインスパイアされていて 、アメリカ南西部を彷彿させるジャカードニットやステッチを襟に採用。でも、肩の落ちたシルエットはかなり今っぽいと思いますよ」。
一方、こちらのデニムは1996年のコレクションをもとに制作された。
「アーカイブにあったデニムに同色のレザーを貼り合わせています。これはバイカーがデニムの上にはいているチャップスと呼ばれる防護パンツをイメージしたものです。レザーの加工はすべて手作業で行われているんですよ」と桑野さん。
このほかにもデニムシャツやジャンプスーツをはじめ、スウェットやTシャツなど全25アイテムがラインナップする。
約30年前のディーゼルが、現代のディーゼル自身によって再構築された本コレクション。その古さも新しさも両方を楽しめるオーシャンズ世代こそ、手に取るべきアイテムだと思うのだ。
[問い合わせ]ディーゼルジャパン0120-55-1978POW-DER=文