エイジングによる個体差が魅力のヴィンテージ
「ゼニス アイコン」として選ばれた貴重なヴィンテージウォッチの一部を紹介していこう。
1本目は「A385」初代オリジナル。今年登場した復刻(写真下)と比較すると……。
焼けたブラウンのダイヤルが風格たっぷり。ヴィンテージ特有のエイジングによって魅力が増している。この個体は「エル・プリメロ」が誕生した1969~1971年頃に製造されたものだという。
37mmのケース径は昨今の小径モデルのトレンドにもフィットするのが嬉しい。
次に紹介するのは、同年代に製造された「A386」。主な特徴として挙がるのは、38mm径のラウンド型ケースに備わる、トーンが異なる3つのサブダイヤルだ。
ちなみに復刻モデル(写真下)では、ダイヤルに「A386」のプロトタイプから踏襲したブルーグラデーションを取り入れている。
このブルーグラデーションは、ゼニス社の時計職人シャルル・ベルモが屋根裏に隠していた文字盤へのオマージュとのこと。こういうストーリーもたまらない。
村田さんは「ゼニス アイコン」の展開に早くも手応えを感じているという。
「ヴィンテージを扱うことで、いい相乗効果が生まれているんですよね。たとえば、こうやって見比べていただいくこともできますし、『エル・プリメロ』の歴史的な背景を説明することでブランドへの理解を深めていただけますし。
在庫は非常に少ないのですが、いい個体が見つかり次第、今後も入荷する予定です」。
時代を超えて愛される「エル・プリメロ」の世界に浸れるヴィンテージウォッチ。実際に手にとるとわかる唯一無二の味わいをぜひブティックで体験してほしい。
【問い合わせ】
ゼニス 03-3575-5861
鳥居健次郎=写真 戸叶庸之=編集・文