「エル・プリメロ」初期ムーブメントの価値をおさらい
ゼニスが誇る史上初の自動巻き式クロノグラフ専用ムーブメント「エル・プリメロ」。その価値をおさらいするため、今一度、歴史を紐解いておこう。
振り返れば、1969年は時計業界にとって重要な2つの“誕生”があった。
ひとつはクオーツ時計。もうひとつは、自動巻き式クロノグラフ専用ムーブメントである。
同年に登場した3つの自動巻き式クロノグラフ専用ムーブメントのなかで、ゼニスの「エル・プリメロ」が競合他社に勝っていた点はずばり、毎時3万6000振動というハイビートを実現したことにある。
精度における圧倒的な優位性によって「エル・プリメロ」は多くのブランドに提供され、のちに伝説をたくさん残していく。
ただし、ほかのメーカー同様、1970年代はゼニスにとっても厳しい時代で、「エル・プリメロ」は1975年から生産中止。復活するまで10年の歳月を必要とした。
「ゼニス アイコン」で扱う初期の「エル・プリメロ」はつまり、この時期のものとなる。
スペックの良さだけでなく、製造期間が極端に短いことから稀少性が高く、歴史的な観点から見ても貴重な時計だといえるのだ。
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