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2021.01.13

電気自動車の不安を解決!? BMW i3が示す“レンジ・エクステンダー”という答え

「味わい深い、熟成車」とは……
ヨーロッパや中国に倣い、日本も2030年代までに新車販売を電動車のみとすることを検討し始めた。
ヨーロッパメーカーからも、2020年一気に電気自動車が日本へとやって来たが、それより6年も早い、2014年4月から日本でのデリバリーが始まったのが「BMW i3」だ。
車両本体価格は499万円〜608万円。購入時に国からの補助金が20万〜32万円や都道府県の補助金(東京都の場合30万円)が受け取れるほか、自動車税や自動車重量税、環境性能割(従来の自動車取得税に代わる税制)も減税される。
 

新型バッテリーに次々と切り替わってきた6年間

現行型のBMW i3。レースカーやハイパフォーマンスカーなどに採用されることの多い炭素繊維強化プラスチックが基本骨格に採用されている点もポイント。BMW初の電気自動車ということで、コストを度外視したと言えそうだ。
電気自動車には航続距離や充電時間、充電設備の数などさまざまな課題が残されているが、 熟成したBMW i3にひとつの“解”をがあると言えるかもしれない。
まずは現在の熟成に至る道のりを見ていこう。
全長4010×全幅1775×全高1550mmという街乗りサイズの4人乗り電気自動車であるBMW i3は、2013年の年末から予約が始まり、2014年4月から納車が始まった。
最高出力170ps/最大トルク250N・mを発揮するモーターをボディ後端に置き、後輪を駆動させる。さらに“発電機”として使用するための2気筒650ccエンジンを積む「レンジ・エクステンダー」装備モデルも用意された。
搭載されたリチウムイオン電池の総電力量は22kWh。1回の充電で約130kmから160kmまで、省電力の走行モードで走れば約180kmまで走行可能とした。さらにリーフにはないレンジ・エクステンダーを使えば約300kmまで走れる。
家庭での充電のほか、日本の急速充電方式であるCHAdeMO(チャデモ)にも対応している。「BMW Charging」提携ステーションなら、最大12か月間「0円」で充電可能。
航続距離に影響する重量増を抑えるために、基本骨格には一般的なスチールやアルミではなく、量産車としては初となる軽量かつ強靱な炭素繊維強化プラスチックが用いられた。
またバッテリーが床下に敷かれるため重心が低く、前後重量配分はBMWらしく50:50。電気自動車特有の力強い加速力やBMWお得意の後輪駆動ということもあり、ワインディングも楽しめる電気自動車だ。
後部にモーターを置き、後輪を駆動させる。最小回転半径は4.6mと軽自動車なみ。
とはいえ、航続距離がライバルの数字と比べて見劣りしていたのも事実。そこで2016年9月に新たに開発された総電力量33kWhのバッテリーを搭載。これにより1回の充電で約390km(JC08モード)まで走ることが可能になった。これにレンジ・エクステンダーを備えると走行可能距離は511kmになる。
また2018年1月には内外装デザインの変更とともに、新車登録から8年または走行距離10万kmまでバッテリーの無償修理や、主要項目のメンテナンス費が3年間無料というサービスも付くようになった。
さらに、間もなくその役目を終えようというモデル末期に入った2019年2月に、新型のバッテリーが搭載された。総電力量は42kWhにアップし、1回の充電での航続距離は、新しい基準であるWLTCモードで360km、レンジ・エクステンダー装備車は466km。
ちなみに現行型日産リーフの62kWhバッテリーモデルは458km、40kWhバッテリーモデルは322km(いずれもWLTCモード)。「ホンダe」が259km/283km(WLTCモード)、プジョーは「e-208」が340kmでSUV 「e-2008」が385km(欧州WLTCモード)。このように最新のライバルたちと比べても、航続距離に関しては十分対抗できる。


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