次元は普遍的、ルパンは流行に敏感な時計選び
広田 それは興味深いですね。彼はどんな時計を愛用していたんでしょうか?
安藤 ルパン三世の愛用時計として有名なのがオメガの「シーマスター・クロノクオーツ」。1976年のモントリオールオリンピック記念に登場した、いわゆる“デジアナ”時計です。ほかには、フランスのイエマというブランドの「ミーングラフ」と呼ばれるモデル、アミダの「デジトレンド」なども知られています。
広田 なんだかジェームズ・ボンドの“スパイウォッチ”のようなセレクトなんですね。
安藤 ごつくて、なんだかギミックを備えていそうな外観が共通していますね。ルパンの派手なファッションからも想像できるように、デザイン重視で選んでいるところが次元と対照的で面白いんですよ。
広田 普遍的な時計選びをする次元、そして流行に敏感な時計選びをするルパン。キャラクターの作り込みが本当に丁寧ですね。このあたりはまさに『ルパン三世』の大きな見所となりそうですね。
安藤 神は細部に宿る、とはよく言ったもので、名作と言われている作品はやはり細部の作り込みがすごい。
第1回目の寅さんの傷だらけの時計もそうですけどね。
広田 次元の愛用時計、しっかり劇中で確認できていないので、これを機に『ルパン三世』を改めて観直したいと思います!
ルパンの頼れる相棒に続く次回は、日本の国民的ドラマ『相棒』の主人公の時計をピックアップ! 第4回目もお楽しみに!
「時器放談」とは……
マスターピースとされる名作時計の数々。毎回、こだわりの1本を厳選し、そのスゴさを腕時計界の2人の論客、広田雅将と安藤夏樹が言いたい放題、言葉で分解する。
上に戻る 鳥居健次郎=写真 安部 毅=文
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール