機械式の時計が登場して数世紀。その長い時間をかけて人類の叡智が蓄積され、現在の時計が形成された。
復刻デザインやヘリテージへのオマージュを捧げた時計は、そんな長い歴史とのコネクションとなりうるだろう。
連綿と受け継がれるアヴィエーターウォッチの精神を
PATEK PHILIPPE
パテック フィリップ/カラトラバ・パイロット・トラベルタイム Ref.5524
1930年代、パテック フィリップが初めて24のタイムゾーンを示すワールドタイムウォッチを製作。その後、2本の時針でデュアル・タイムを示す機構を開発し、’96年にはケース側面の二つのプッシャーによって異なる二つの時針をそれぞれ前進、後退できる特許技術を取得した。
これを進化させたキャリバーを収めた本作は、そんな同社のアヴィエーターウォッチの系譜を継ぐ。夜光塗料が塗布されたインデックスと針、ローカルタイムとホームタイムの昼夜表示など、実用性を追求した。
アラームの歴史を進化させた最新のメモボックス
JAEGER-LECOULTRE
ジャガー・ルクルト/マスター・コントロール・メモボックス・タイマー
ハイコンプリケーションのミニッツ・リピーターや日常使いできるアラーム機能など、機械式時計において美しい音色を鳴らすのは、ジャガー・ルクルトが得意とするところ。そんなアラーム機能を搭載した1950年代初頭初出の「メモボックス」には、ファンも多い。
その遺産を進化させた本作では、設定時刻を告げる従来のそれに加え、設定した経過時間後に音を鳴らすカウントダウンタイマー機能も付与した。オープンケースバックにより、ペリフェラルゴングを打つハンマーの動きも観賞できる。
本格ウォッチメイキングへの道筋をつけた初号機の現代版
BVLGARI
ブルガリ/ブルガリ・ブルガリ
今や、技術およびデザインの両面から時計界を牽引する存在となったブルガリ。1977年に初の時計コレクションとして生まれた「ブルガリ・ブルガリ」は、古代ローマ建築に基づくラウンドケースにブランド名が刻まれたベゼルを備える洗練されたデザインで一躍アイコンに。
その伝統をストレートに受け継ぐ現行モデルは、ブラックDLC加工が施されたSSケースに、メッシュのラバーストラップを備えたアーバンな佇まいが魅力。普遍的な美を端正にまとめ上げるセンスこそ、世界が認めるメゾンの力量。
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