OCEANS

SHARE

本物の機能美が感性に訴える

モノへのこだわりや質が求められる時代になった近年、高級車よりもライフスタイルを表現できるアイコニックなSUVがもてはやされているのは、各自動車メーカーが次々と新型SUVを投入していることからも想像できる。
なかでもラングラーをはじめディフェンダーやGクラスなど本格クロスカントリー4×4にいたっては、各業界のセンシティブな人々も触手を伸ばすカテゴリーとなっている。
ラングラーは、米国の軍用車を祖とする四輪駆動車で、約80年の系譜に書き連ねられる真のジープ。特異な意匠には意味があり、内側に寄せられたヘッドランプは狭いブッシュロードでも明かりを先まで照らすことができ、レンズの破損も避けられる。またリアに背負ったスペアタイヤは、車両の転覆時にロールバーの働きをして乗員の生存スペースを確保するためのもので、ボンネット先端と運転席の延長線上の高い位置に装着されている。
さらに時代に逆行するかのような垂直に立ったフロントウインドーも、太陽の反射光を敵機に向けないための防衛機能。そんな本物の機能美が現在のラングラーにも溢れ、現代人の感性を大いにくすぐってくる。
ハードなクロカン四駆ながら、ワンタッチでオープンエアーが満喫できるこのラングラーは、気持ち良さもミックスした欲張りモデル。ラングラー人気のなか、欲しいけれど人と被りたくないという方に、最高のモデルではないだろうか。
4×4ジャーナリスト
竹村吉史
埼玉県・秩父のアウトドアパークブロンコオーナー兼4×4ジャーナリスト。オーストラリアや中国西域の砂漠、ボルネオのジャングルなどで得たノウハウを基に、四駆の正しい使い方を啓蒙する。
 
 

忖度抜きで、いいところしかない!

僕は自動車の整備や販売、カスタマイズなど手掛けており、この間は日本には正規輸入されたかったラングラーのピックアップトラック版を輸入してキャンパー仕様にしたり、いろいろやっているんです。それにお客さんにはラングラー乗りも多いです。
そういった立場から言わせていただくと、このスカイ ワンタッチ パワートップ仕様のアンリミテッド サハラは、本当に「いいところしかない!」と言える一台だと思います。
まず第一に「車両価格がバカ高くない」というのと、「それでいて安すぎもしない」というのが素晴らしい。高すぎると買えないし、かといって、車というのは安すぎてもナメられる。というのが僕の持論です(笑)。
そして「4WDのオープントップモデル」というのは少ないので、周囲との差別化ができるのもいいですね。夏場は暑すぎて屋根は開けられないかもしれませんが、それでも海辺の道を走る一瞬だけでもオープン状態で走ると最高に気持ちいいと思います。ボディカラーは派手なパンプキンメタリックを選んで、美女を助手席に乗せてドライブしたい! この車はきっとモテる!
歴史的な背景やその機能性から、ラングラーは硬派なクロカンというイメージが強いかもしれませんが、「いい意味でバカにもなれる車」だと思います。軟派に乗ってもいいじゃないですか。アクティブな使い方をしなくたって、この車には夢があるんです。
S&Company 代表
鹿田能規
車のラッピングから整備、板金塗装までを行う「S&Company」代表取締役。オフローダーのほか、スーパーカーの取り扱いも得意とする。最近のブームはキャンパー仕様のカスタム。
 

谷津正行=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。