「中古以上・旧車未満な車図鑑」とは……vol.13:「パンダ」
フィアット、1980年〜2003年
フォルクスワーゲン「ゴルフ」やマセラティ「ギブリ」、「デロリアン」「エスプリ」…… と数々の名車をデザインした、イタリアの工業デザイン界の巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロ。
なかでもフィアットの初代「パンダ」は彼の並外れた才能が発揮された名作のひとつであり、彼の最高傑作として挙げる人も多い。
何しろ、優れたデザインによって製造コストまで削減し、見事クライアントであるフィアットの期待に応えたのだから。
ルパン三世でお馴染みのフィアットの2代目「500(チンクエチェント)」は、イタリア人はもとより、世界中の人々の心を鷲掴みにした名車だった、しかしデビューは1957年。
戦後の復興に向かう人々の生活の足として20年も働き続け、ようやく1977年に引退。そのあとは「126」が引き継いだ。
しかし暮らしが着実に豊かになっていった1970年代において、「500」同様の空冷2気筒エンジンをリアに搭載して後輪を駆動させ、しかも全長わずか3m程度と小ぶりなサイズの「126」では、人々の生活の足には物足りなかったようで、販売台数は思うように伸びなかった。
では、これからの時代のベーシックカーはどうあるべきなのか? そんなコンセプト作りの段階から、フィアットはジウジアーロに協力を依頼したのである。その回答が、初代「パンダ」だった。
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