「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……ノンネイティブがグイディとコラボしたブーツの第2弾です。今回はセンタージップタイプで、爪先部分が上がってボリューム感のあるシルエットが特徴。
子供がお父さんの靴を履いているような不思議な履き心地をイメージして製作されているため、モデル名は“ビッグダディ”。
僕がグイディの靴に出会ったのは10年ほど前。一度履いたら手放せなくなり、それからさまざまなタイプを6足買って、どれもずっと愛用しています(その偏愛ぶりは
コチラにて)。
なかなか高価ですが、長く履いていることを考えると結果的にスニーカーより安くついているかも。数年前に日本の輸入代理店がなくなってしまったので、今回も直接オファーをしてダブルネームが実現しました。
グイディの靴がもともと汚れている印象なのは、すべて縫い合わせてから最後に染めを行っているから。最初からおろしたてのピカピカじゃないところも好きですが、なんとグイディの靴はレザーなのに丸ごと洗えるんです。
僕は洋服もまず洗って馴染ませるのが好きなのですが、グイディの靴は洗濯機で丸ごと洗っても耐えられるつくり。洗って縮むことも計算されており、洗うほどに風合いが増すんです。
グイディ×ノンネイティブの「ブーツ」グイディはイタリア・トスカーナ発のレザーブランド。熟練した職人が生み出す最高の履き心地と、使うほどに味が出る経年変化の妙が楽しめる。アッパーはホースレザー。ノンネイティブオリジナルのベージュとチャコールの2色。
モードっぽい服に合わせる人が多いのですが、ノンネイティブの服とも相性抜群。僕は細身のパンツや、夏なら短パンを合わせてストリートっぽく履いています(
種市暁さんと実施したスタイルガイドもチェック!)。別注はビブラムソールにしたので、よりアウトドア感がプラスされています。
今回の自粛中に持ち物を見直した結果、いるモノといらないモノ、残しておくべきモノと捨てるべきモノがはっきりわかりました。ファッションは嗜好品だから欲しいモノは高くても安くても買うけれど、どこかで見たような中途半端なモノはもう必要ないという気がしています。
グイディの靴はとにかくタフで丈夫だし、何にでも合わせやすく一年中使えるから、10足減らしてこれ1足にすれば、部屋もすっきりするのでは? いいモノって、長く付き合えるんです。
[藤井隆行 プロフィール]
東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。生活様式がガラッと変わり、改めて気分が上がる“ファッションの力”は尊いなと思う今日この頃。「みなさん、いっそう選美眼を鍛えましょう」。
「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
上に戻る 竹内一将(STUH)=写真 町田あゆみ=文