調理に適した炭火の状態「熾火」を見極めろ
火をつけてしばらくは、炭からも炎が上がる。この状態は煙や臭いが立ちやすく、火力も不安定で焦げ付きやすいため、料理には不向き。
料理に使うなら、炭が「熾火(おきび)」になってからがベター。炎が落ち着き、炭が真っ赤になった状態を料理開始の目安にしよう。
BBQでは、食材を真っ黒に焦がしてしまったり、生焼けになってしまう失敗が起こりがちだ。この理由は、まだ火が不安定に燃え盛る状態で食材を投入してしまっているから。焦らず、熾火になるのを待ってから焼けば、失敗の大半は回避できる。
上の写真のように、左右半分ずつ炭を置く量を変えて、強火エリアと弱火エリアを作っておくと、さらにキャンプ上級者っぽい。
ここまで読んでお気付きの通り、火の特性を頭に入れて準備を整えれば、焚き火も炭火も必要な作業はほとんどない。ライターで火をつける。それだけだ。
焚き火の前で、あれこれ忙しくしているのは上手くいっていない証拠。そんなときこそ基本を思い出し、落ち着いてイチから段取りし直してみるといい。
正しい手順さえ踏めば、誰だって火は簡単に起こせるのである。
連載「Camp Gear Note」一覧へ「Camp Gear Note」90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
上に戻る 池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真 たき火ヴィレッジ<いの>=撮影協力