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⑧運動はしないほうがいい?


ファスティング中に運動でもしようものなら倒れるのでは? と思ってしまうが、実は逆だという。
「脂肪が燃えるときにケトン体という物質が発生するのですが、ケトン体の血中濃度が高まると、気分が悪くなったりすることがあります。これを緩和させる方法のひとつが運動なんです」。
ただし、いつもと同じ負荷をこなすのは難しいらしい。
「普段の70〜80%の強度や長さを意識するといいでしょう」。
普段運動をしていないのに、「せっかくファスティングをするんだから、頑張っちゃおう!」などとはくれぐれも思わないことだ。
「生活の強度が上がっているのに、運動の強度を上げたら絶対に続きません。普段、運動をしていない人は、散歩程度に留めておくか、ファスティングの1~2週間ぐらい前から運動習慣を身につけておくようにしましょう」。
 

⑨思考がクリアになるって本当?

③で述べたように、思考が透明化するのは5日目以降。
「この頃になると、ケトン体が脳で代謝されるようになり、脳波がα波状態になります。リラックスしているのに集中力が高まっているような状態になり、思考がクリアになるのです。五感が鋭くなっていくのもこの頃からです」。

 

⑩注意するべきことはある?

まず低血糖にならないよう、発酵ドリンクはちびちびと飲むのがおすすめだそう。
「発酵ドリンクは糖分が高いので、食事のタイミングで一気に摂ると、その後、血糖値が急激に下がり、低血糖になりやすいんです」。
また、ファスティング中は免疫力が低下していることも覚えておきたい。
「体温も低くなるし、風邪を引くリスクも高まるので、冬のファスティングはあまりおすすめしません」。
塩分を摂らないので、体内に水を保持しにくく、脱水症状にもなりやすいという。
「入浴は長湯はせず、軽くシャワーを浴びるぐらいが安全です。どうしても湯船に入りたいときは、水分補給をしながら入るといいでしょう」。

ファスティングは体が喜ぶ反面、方法を間違えた場合には相応のリスクも。いざチャレンジ!と急ぐ前に、この10カ条は確実に押さえておこう。
林田順子=取材・文


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