「車のトリセツ」とは……アウディのシンボルであるフロントグリルに4つのリングが重なる「フォーリングス」。このロゴは、アウディというブランドの成り立ちを表している。
1932年、世界恐慌のあおりを受け、ドイツ・ザクセン州にあった4つの自動車メーカーは「アウトウニオン」というひとつの会社にまとまることでこの危機を乗り越えようとしたのだ。
その際にアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーの4社が統合することを示す意味でこの「フォーリングス」が誕生したのだ。
第二次世界大戦後、「アウトウニオン」のあったザクセン州は旧東ドイツに組み込まれてしまい、工場をすべて失った。しかし旧西ドイツ側で自転車にエンジンを載せた自動2輪車の製造や、簡易な商用車の生産などで再びスタートを切る。
その後1956年にはダイムラー・ベンツの傘下に入り、1965年からはフォルクスワーゲングループへ移るなどの変遷のなかで着実に力をつけ、1985年に社名を「アウディ」とし、現在の世界的な自動車メーカーへと成長してきた。
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