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ジープらしからぬオンロードに特化したトラックホーク

一方、「ジープ グランドチェロキー トラックホーク」の心臓部はダッジ・チャレンジャーSRTヘルキャットと共通する大排気量6.2L V8OHVスーパーチャージャー付き「HEMI」。
ジープ史上最強スペックを誇る心臓。もちろん燃費はほぼ度外視と言っていいほど。野太いエキゾーストノートと、心地良いドロドロとした振動がたまらない。
最高出力710ps、最大トルク868Nm、最高速度は288km/hを誇るというモンスタースペックだ。

オフロードに長けたジープとしては異色の存在となる、オンロード最高性能が与えられたトラックホーク。ちなみにオフロード性能を高めた国内限定162台の「グランドチェロキー トレイルホーク」も新たに発売中だ。
乗り味はウルスのそれと比べるとやや柔らかく、その分シティユースではアメ車ならではの至極快適な乗り心地をみせる。
しかし、有事の際の「トラックモード」は、まるでミサイルが如く加速。スリー、ツー、ワン……ペダルを踏み込むと同時に低回転から湧き上がる怒涛のトルクに身体がシートに打ちつけられる。
およそ3000rpmから響くスーパーチャージャーのメカニカルサウンドと相まって、アメリカンマッスルカーらしいスタートダッシュは豪快かつ痛快そのもの!

4WDシステムやトランスミッション、足周りなどの各種設定をそれぞれ個別にアジャストできるのも、武骨なイメージのジープらしからぬ電子デバイスの巧妙だ。

残念ながら同じシチュエーションで加速性能を試すことはできなかったものの、0→100km/h加速はほぼ互角。動画投稿サイトなどでも2台の速さを競う動画は見つかるので参照されたし。
今、市販車で地上最速のSUVは間違いなくこの2台だろう。あくまでランボルギーニらしさを貫いた猛牛か、ジープが新たな一面を見せた鷹か……あなたが乗りたいのは、どっち?
 
カストロトシキ=文


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