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さて、蓮さんは唐津市内でもかなり田舎のエリアで伸び伸びと育った。
実家
田んぼのはるか向こうに隣家が見える。
「九州の人はナマコが大好きで、米俵の形をしていることから『ご飯に困らないように』という縁起物でもあります。めちゃめちゃ美味しいうえに、消化もいいんですよね」。
なまこ
さっと洗ったナマコにポン酢をかけていただきます。
蓮さんに最近のトピックを聞くと「入院したこと」。昨年の11月末に急性限局性小腸炎を発症し、12月半ばまで病院暮らしだったそうだ。
「腹痛と発熱で最初は町のクリニックに行ったんですが、『うちじゃあ対応できない』と言われて大きい病院に緊急搬送されました。人生初の救急車体験です」。
入院中に食べていたのは味気のない病人食。ロビーに置いてある『dancyu』の寿司特集を食い入るように眺めながら、美味しい食事のイメージを膨らませる日々だった。
「固形物はなくて、メインディッシュは重湯。退院が近づいた日に3分粥が出てきたときは感動して泣きました(笑)」。
病院食
こちらが夢にまで見たお米入りのグルメ。
ちなみに、パティシエ時代の仕事場はクローズドキッチン。蓮さんにとって、この店は初の接客業だ。
「クラフトビールは決して安くはないお値段なので、満足して帰ってほしいんです。仕事や家庭の合間にある癒しの時間を過ごしていただければと思っています」。
見た目の特徴やプロフィールを記したメモからも彼女の本気度が窺える。これは膝を打たざるを得ない。
メモ
ひとりで来るガブリエルはにっこりスマイルのスペイン系アメリカ人。
店長の鈴木智彦さん(38歳)は、蓮さんについてこう評する。
「働き出して3カ月ぐらいで、磨けば光る原石だなと感じました。サービスやオペレーションはまだまだですが、看板娘としてはもう完成形でしょう」。
メディアへの顔出しを断り続けてきた鈴木さんだが、今回は特別に撮影OKをいただいた。
店長
これも看板娘効果か。
4/4

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