毎年11月の第3木曜日、今年も11月21日(木)にボジョレーヌーヴォーが解禁になる。日本でもすっかりお馴染みになったこのワインの祭典。「どうせワイン業界が仕掛けたイベントでしょ?」「美味しくないんでしょ?」と切り捨ててしまうのはもったいない。
そもそも、ボジョレーヌーヴォーが何か、きちんと知っているだろうか?
ナチュラルワインのインポーターでキャリアを積み、現在はフリーのワイン伝道師として活躍する萩野裕之さんに、ボジョレーヌーヴォーの基本と、その楽しみ方を聞いてきた。
萩野浩之さん●1966年大阪出身。ホテル勤務ののち、ワインのインポーターとして25年間勤務。その後独立し、2017年自然派ワインに関するアドバイスやイベントの企画などを行う「アトリエ オッペ」を設立。 Q.そもそもボジョレーヌーヴォーって何?
A.ボジョレー地区の、新酒を祝う収穫祭です。
フランスでワイン産地として有名なのはブルゴーニュとボルドー。この2つの地域は、高級産地としても知られていますが、このブルゴーニュの一角、いちばん南端に位置するのがボジョレー地区。
そのボジョレーで、その年に採れたぶどうで作った新酒を祝う、いわゆる地域の収穫祭がボジョレーヌーヴォーです。
地域のお祭りが、なぜ日本でここまで広まったのか。それは、日付変更線の関係で、先進国でいちばん早く11月の第3木曜日を迎えるのが日本だったことから、そこにワイン業界が目をつけ、「世界でいちばん早くボジョレーヌーヴォーが飲める!」と宣伝したことにより、日本でブームが巻き起こったのです。
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