プロテインパウダーを選ぶ際には、成分表をよく見て自分にあったものを
タンパク質を効率よく摂取できるほか、費用対効果面でもメリットがあるというプロテインパウダー。しかし、スポーツ店やネットショップを見れば、こちらも多種多様な商品が並んでおり、どれを選べば良いか、特に初心者は迷ってしまうもの。そこで最後に、山本氏が推奨するプロテインパウダーの賢い選び方を、ポイント別にまとめておこう。
●ポイントその1
タンパク質摂取が主目的なら、なるべくシンプルなものを選ぼう
「大雑把に言ってプロテインパウダーの価格は、タンパク質以外の成分によって変わるといえます。現在、もっともよく見かけるのは『エルゴジェニック系』と呼ばれる、BCAAやクレアチン、各種ビタミンなどの成分が配合されているタイプ。もちろん、これらの成分は筋肉や健康への良い効果が期待できるのですが、その分割高になってしまいます。
また、成分表を見ると配合量が意外と少ない商品が結構あるもの。ひとつの商品で複数の成分が摂れるという手軽さはありますが、個人的には、それらの成分を必要と感じたら、別にサプリメントとして購入したほうがお得かなと考えています」。
●ポイントその2
シンプルなプロテインパウダーでも含有率には要注意
「余分な成分を含んでいないシンプルなプロテインパウダーでも、パウダーに含まれるタンパク質の比率には注意が必要。よく見ると、同じ価格でもタンパク質の含有率が違う場合があるからです。
そこで注目してほしいのが、パッケージに記載されている1食あたりのタンパク質量。たとえば『1食(20g)あたりタンパク質15g』と書かれている場合、15÷20で含有率は75%となります。この計算を覚えておけば、費用対効果の高いプロテインパウダーを選ぶことができるでしょう」。
●ポイントその3
日本産と外国産で、タンパク質の「質」に大きな違いはない
「最近では国内製造をうたうプロテインパウダーを見かける機会も増えています。しかし、実際の話、プロテインパウダーの原料は、すべて外国産ですから、国内製造だからと言って、外国製よりも優れていると言うことはないと思いますし、価格的にも国内製品よりも安く良質なものもあります。
ただし、傾向として外国製のほうが味が強い(添加物が多い可能性もある)場合や、どこで誰がどのように製造しているのかまでは、なかなかリサーチできませんので、本当に安心できるプロテインを望むなら、製造工場を実際に見学できるくらいの情報公開をしているメーカー(国内でも数えるほどしかないですが)のほうが安心かも知れませんね」。
山本氏のアドバイスからもわかるように、タンパク質を効率よく摂取するという観点からみれば、結局のところプロテインパウダー選びもTPOや好み次第。
成分以外の“付加価値”という意味では、山本氏が運営する「プロテイン工房」のように、地元(宮城県)の契約工場と提携することで、大きなメーカーにはできない小ロットかつ細かな成分調整を行っているプロテインを用いた商品を購入する、というような“ストーリー”に興味を持つことも、ひとつの手段だろう。
いずれにしても大切なのは、普段の食事、そして運動とのバランス。何度も言及したが、プロテインだけ摂取していれば健康になったり、筋力アップしたりということはあり得ない。
健康的な食事と運動との組み合わせこそ、プロテインの効果を最大限に発揮する秘訣なのだ。
【関連リンク】プロテイン工房https://protein-kobo.com/【プロテイン選びの参考に!】プロテインはダイエットに役立つ! 一流アスリートを支える管理栄養士の証言ゼビオのショップスタッフに聞く「初めてのプロテイン」の選び方とオススメ銘柄石井敏郎=取材・文