十人十色といわれるように、人にはそれぞれ合った“色”がある。そんな多様な個性を象徴するような鮮やかな時計を集めた。
色とりどりで見ているだけでも楽しくなるではないか。自分自身を特別な色に託して、着けこなせば精彩はさらに増す。
A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ/ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨン
卓越した精巧さを讃える優雅なピンクゴールドアウトサイズデイトを頂点に、ふたつのサブダイヤルが正三角形を形成する特徴的なレイアウトを崩すことなく、トゥールビヨンとパーペチュアルカレンダー&ムーンフェイズを搭載する。
また外縁の9〜10時位置にはパワーリザーブ表示も控えめに装備。K18PGで作られたダイヤルは、その精緻さをゴージャスに演出する。
HUBLOT
ウブロ/スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア 42mm
透過するイエローの光は眩い太陽を思わせる先進素材を使って時計を作るパイオニアであるウブロは、2016年に初採用して以来、サファイアクリスタルの加工やカラーリングにおいても時計界における旗手といえる。
透明、ブラックスモーク、ブルー、レッドなどに次ぐ、時計では初採用のイエローサファイアをトノウケースで表現。傷つきにくいだけでなく、透明度はいつまでも褪せない。
MONTBLANC
モンブラン/モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション 1858
雄大な大自然を想起させるカーキグリーン
160年以上の歴史を誇る時計工房ミネルバの伝統とともに、1920年代から’30年代にかけて山岳探検などに使われたポケットウォッチやクロノグラフからインスピレーションを得ている「モンブラン 1858」。
本作は経年変化も楽しめるブロンズケースに、カーキグリーンダイヤルを組み合わせ、大自然への憧憬を醸し出す。文字盤上下のインダイヤルは北半球と南半球を描いたディスクを備え、24時間で一周し、それぞれの時間帯と昼夜を表示。世界への旅心を誘うのだ。
VACHERON CONSTANTIN
ヴァシュロン・コンスタンタン/フィフティーシックス・オートマティック
若々しさと躍動感に溢れた専用カラーのペトロールブルー
ブランド初の自動巻きムーブメントを搭載した1956年の「リファレンス6073」をベースに、当時の革新性を現代的な解釈とともに新しく表現したのが「フィフティーシックス」だ。
本作はコレクションのために専用開発されたペトロールブルーを採用。円と線で構成されたセクタータイプのデザインと、飛び数字を組み合わせたダイヤルに躍動感を与える。アイコンであるマルタ十字をモチーフにしたケースにも映え、レトロモダンが際立つ仕上がりだ。
ORIS
オリス/オリス アクイスデイト レリーフ
グレーダイヤルが表現する荒ぶる海の姿世界の水質汚染問題と向き合うため、オリスは非営利団体と協力し、「ザ・ブルーミラクル」プロジェクトをスタートさせた。
その活動の一環として探検スイマー、アーネスト・プロメイスが世界最大かつ最深の淡水湖バイカル湖を800km泳いで渡る。その偉業を讃えた本作では嵐の海を再現したグレーダイヤルと、ベゼルに配された浮き彫りのスケールが水の質感を表現する。
GRAND SEIKO
グランドセイコー/エレガンスコレクション 限定モデル
茜色の透漆に息づく日本最高峰の伝統技術ブランド初の漆芸をダイヤルに採用。希少性の高い純国産漆を使用した透明感のある透漆(すきうるし)を駆使し、その原料産地を懐に抱く岩手県・岩手山の山肌を思わせるパターンをデザインした。
また12時位置のGSロゴと、インデックスには、金沢の漆芸家、田村一舟による高蒔絵(たかまきえ)を施す。日本の美意識を伝える、芸術的な1本だ。
※本文中における素材の略称:K18=18金、PG=ピンクゴールド、WG=ホワイトゴールド、SS=ステンレススチール
柴田 充=文