ガリの鮮やかなピンクがインスタ映えしそうだ。なお、こちらの碧(あおい)さんは24歳にして店長なのである。
「ガリチューハイは私がここで働くことになったきっかけを作ったお酒。ガリを食べながら飲んでもいいし、ガリを残してチューハイだけ足してもいいです」
お次はフード。ドリンク同様、バリエーションが豊富で実にそそられるラインナップだ。
迷った末に、前髪を自分で切り過ぎたという碧さんのお任せで2品いただくことにした。
オーナー特製の「甘蕉(バナナ)キーマカレー」(200円)、クラッカー(100円)、そして「厚切りベーコンステーキ」ハーフ(400円)。締めて950円である。
「厚切りベーコンは小江戸川越の『はやしハム』さんから直接取り寄せているもので、神保町店限定メニュー。厚さは22mmです」
オーナーの菊池さんは元々企画・コンサルティングなどの事業を行う会社を営んでいたが、「ドラム缶」ののれん分けシステムに興味を持つ。
時は1年前にさかのぼる。菊池さんは下見を兼ねて社員とともに「ドラム缶」の神田店を訪れた。そこにちょうど居合わせたのがリクルートスーツを着た碧さんだ。
「高校を卒業して保育の専門学校に入ったんですが、将来性がないなと感じて中退。カラオケ店でアルバイトを始めました」。
その勤務時にちょっとした“事件”が起きた。
「風邪を引いて辛そうなバイトの男の子が出勤してきたので帰そうとしたら、店長に『お前に何の権限があるんだ』と言われて……。『この人より絶対に稼いでやる』と誓いました」。
その後、就活中にふらっと入ったのが「ドラム缶」神田店だ。
「みんなそれぞれの仕事論を熱く語っていて、いいなあと思いました。気付いたら一緒に飲んでいて、ガリチューハイを何杯もお代わりしながら私もヒートアップしていったんです(笑)」。
菊池さんからは「ちょうど店長を探しているんだよ。やらない?」と誘われる。飲食の経験はゼロだったが、自分らしく働けそうだと感じた。何社か決まっていた内定を蹴って現在に至る。
菊池さんいわく、「とにかく元気だし、いい意味で適当。ノリで生きているところが面白いなと思って。でも、真剣なんですよね」。
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