家事は見える化&明確な分担がキモ
この夫婦間の溝をどうやったら埋められるのでしょうか。普通に考えれば、家事はふたりで分け合ってやるもの、という前提に立って、家事分担の落とし所を探すしかありません。
しかし、うまい落とし所を探すのは、そう簡単にできるわけではありません。そもそも女性は交渉ごとが苦手という人も多い。相手(夫)が嫌な思いをしない言い方でお互いが納得できる落とし所に持っていける人は、なかなかいないのではないでしょうか。
話し合っているうちに、ついつい感情的になってしまったりもします。だから、そんな面倒な交渉をするくらいなら、私が我慢すればいいのでしょ、となってしまいます。
そこで、夫の皆さんには、ふたりにとって双方が納得できる分担のしかたを探す話し合いを、リードしていただくのが良いのではないかと思っています。
そこで、まずやっていただきたいことは、最近はよく言われていることですが、家の中で誰かがやらなければならない仕事をリストアップして見える化すること。その中から、自分でもできそうな家事、あるいは、妻が「これはあなたにやってほしい」と思っている家事がどれなのかヒアリングし、それぞれが担当する家事を決めるといいのではないかと思います。
ちなみに、妻たちが文句をいいがちな家事は、私がこれまでにママ友たちに聞いた話から考えると、食器洗いと洗濯物干しだと思います。また、食事作りやそれに付随する食材の買い出しなども、よほど夫が料理好きでないかぎり、妻に任せている家庭が多いと思います。逆に掃除関係は、夫のほうが得意という家庭も多そうです。
家事分担で揉める原因のひとつとして、そもそもどんな仕事が日々発生しているのかが明確になっていないから、ということがあるように思います。その点から言っても、一度リストアップしてみる意味は大きいです。
分担を明確に決めて、それぞれ相手の領域にはあまり口出ししないということが、イライラしたり揉めたりすることを防ぐのに重要なのではないでしょうか。
ちなみに、我が家では、毎日の食器洗いと洗濯物を干すのが夫の担当となっています。私もこの2つは自分でやりたいのですが、仕事から帰ってくる時間などを鑑みて、夫が担当したほうが効率がいいと判断したからです。
私の場合、夫がやってくれた家事に改善してほしい点があるときには、その都度言っています。例えば「油汚れが落ちていないことが多いから、もうちょっと力を入れて、ギュッギュッと洗って」とか。喧嘩になったり、揉めたりすることもありますが、たいていは改善の努力はしてくれるので、私もなるべく細かいことは言わないようにしています。
女性はついつい細かいところまで目が行ってしまう、ということはご了承いただきたい点ではありますが、それを踏まえた上でうまい着地点を見つけてみてください。
相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。
MIYU=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人