去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
1967年にブランドと同名の時計師が設立したブランドのDNAを継承するアーミン・シュトローム。創業者が得意としていたスケルトン技法を駆使した、審美性の高い時計は今年、サファイアケースを纏い新境地にたどりついた。
2つの時刻表示を完全にシンクロさせて高精度を獲得
24時間計まで備えた異なる2つの時間帯の時刻を、ひとつのムーブメントで制御するコンプリケーション時計。それぞれ独立した輪列を持ちながら、12時位置に設けられた音叉状のレゾナンス・クラッチ・スプリングが一斉に歯車の動きを制御。と同時に、2つのテンプの共振現象によって高精度を獲得する。
サファイアクリスタルケースとなった新作では、この壮大な複雑機構をあらゆる角度から鑑賞可能だ。
柴田 充、水藤大輔=文