去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
スピーク・マリンは、独立時計師のピーター・スピーク・マリンが率いる新興ブランド。2019年の新作は、とにかくユニークの一言。
時を告げるリピーターが鳴り始めると、驚くべきギミックが作動する。
XIIのインデックスが崩壊しながら
時を知らせる奇抜すぎる機構
真円のフォルムや肉厚なラグなど、ブランドの象徴的なケースフォルムを高品質なサファイアクリスタルで再現。時刻をチャイムで知らせるミニッツリピーターを搭載しているが、音が鳴り始めると同時にⅫのインデックスが崩れるという個性的なアニメーション機能も備える。
無機質な金属の連なりが有機的に動く様子は、非常に面白く、作り手の遊び心が垣間見える。6時位置にあるのは、60秒で1回転するフライングトゥールビヨンだ。
柴田 充、水藤大輔=文