去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
年間生産本数が約20本というブランド、クロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥーは、ショパール率いるカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏が発起人となり誕生。
かつての天才時計師の作品を現代の最高技術で作る哲学を今年も継続した。
代表作の魅力が際立つ美しい装飾が加わる
2016年のジュネーブ ウォッチグランプリ受賞作に、贅沢な装飾を加えた新作。従来機ではサファイアクリスタル製の舷窓だったケース側面やリュウズ回りに、計34個のバゲットダイヤモンド(約2.79Ct)を埋め込む。
秒針と文字盤には、新しく署名などのハンドエングレーブを施すが、これは18世紀の偉大な時計師、フェルディナント・ベルトゥーが手掛けた懐中時計から着想を得たもの。ムーブメントは動力伝達の一部にチェーンを使用する珍しい鎖引き機構を採用する。
※本文中における素材の略称:K18=18金、WG=ホワイトゴールド
柴田 充、水藤大輔=文