去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
かつてマリンクロノメーターの製造で名を馳せたスイスの名門、ユリス・ナルダンは、SIHHで先進性をアピール。「X」というコンセプトを掲げ、新シリーズを作り上げた。
X線で透過したようなフルスケルトンデザイン
ケースにぴたりとフィットするように設計されたシリシウム製テンワを有する新しい自社製ムーブメント、キャリバーUN-371を搭載。時を刻むすべての歯車をさらけ出したスケルトンデザインと、長く伸びる1・5・7・11のインデックスにより、今年からのコンセプトである「X」を強調するフェイスに仕上げた。12時位置の香箱車は、最長96時間のロングパワーリザーブを誇る。
超複雑機構を簡略化した新機軸
針自体がムーブメントとなって時刻を示すブランドの代表的な複雑時計「フリーク」。そのエッセンスを本作では手頃に楽しめる。従来モデルはベゼルを操作して時刻合わせを行うが、これは一般的なリュウズ操作だ。
今年も登場“エロティックルーム”
漫画家ミロ・マナラさんとのエロティックコラボモデル。展示された数々の原画が……これ以上は言えません(照)。
柴田 充、水藤大輔=文