去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
懐中時計で有名なボヴェは、持ち前の技術力を総動員した芸術的な新作で存在感を発揮。
2016年に発表したライティングスロープ型ケースの新作で多くの来場者を驚かせた。
トゥールビヨンさえ霞む独創サファイアケース
6時から12時にかけて徐々に厚みが増すライティングスロープ型ケースを、ダイヤモンドに次ぐ硬さを誇るサファイアクリスタルで作り上げた意欲作。
オフセットされた文字盤をワンポールテントのような立体構造にする一方、針やムーンフェイズ表示はドーム状に設計。ケース内部の空間をフル活用し、どこにもない複雑時計を作り上げた。当然、三次元的に噛み合う歯車の構造も圧巻。
柴田 充、水藤大輔=文