去る1月にスイス・ジュネーブで開催された「SIHH2019」「WPHH」を中心とする腕時計の祭典。本誌取材班は今年も海を越えてかの地へ。そこで見た感動と世界の目利きたちが唸った傑作を厳選してお届けする。
今年はパイロット・ウォッチイヤー。そのパイオニアの実力を存分に発揮した。自社ムーブメントの採用による定番モデルの熟成や初のサンドカラーのセラミックスケースなど魅力も多彩だ。
パイロットウォッチの伝統を受け継ぎ、熟成進化
IWCの「パイロット・ウォッチ」の歴史は1936年に始まり、’48年にはRAF(英国王立空軍)に向けマークⅪが生産された。スピットファイアは、そのスタイルを現代に継承しつつ、自社製キャリバー32110を初搭載し、熟成進化を遂げた。
実用的な72時間パワーリザーブだけでなく、軟鉄製インナーケースを内蔵し、高耐磁性も誇る。程良い39mmケースとNATOタイプのストラップの組み合わせも男心をくすぐる。
先進素材が生んだ迫力のオールブラック
独自開発した“セラタニウム”は、チタンとセラミックスの複合素材で、チタン特有の軽さとセラミックス同等の硬度を併せ持つ新素材。これをケースはじめ、リュウズやプッシャーに初採用したのがこのモデルだ。男の琴線に触れる、マットなオールブラック仕上げも特徴。
初のサンドカラーでよりスタイリッシュに
硬く傷つきにくいセラミックスの特性に加え、サンドカラーは米海軍最大の基地施設があるモハーヴェ砂漠から着想を得たもの。「パイロット・ウォッチ」では初となる自社製の69000系ムーブメントを搭載。
スピットファイアが威風堂々と!
せ、せ、せ、せ、戦闘機!?
日本の実力派俳優がキター!
誠実さと色気を兼ね備える日米の名優は、IWCがよく似合う!
※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール
柴田 充、水藤大輔=文