春と言えば花見、花見と言えば酒。今年の春はちょっとこだわった「花見酒」を楽しんでみよう。酒の種類、桜を見る場所、そして花見酒にまつわる粋な小話……楽しみ方は無限大。サクラサク、花見酒。
せっかく予定している花見の日が晴れるとは限らない。むしろこの時季に降る雨は「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼ばれ、梅雨のようにしつこく降り注ぐ。それでも確実に桜を楽しむ方法はある。それが“インドア花見”だ。
これなら天候にも左右されず、レジャーシートで場所取りする必要もなく、存分に桜と美酒を味わえる。ということで、ソメイヨシノや枝垂桜、八重桜とお目にかかれる桜も多種多様な4店を紹介!
①看板メニューは「桜肉」。井の頭公園内にある「サブライム」
東京・井の頭恩賜公園には毎年、ソメイヨシノ、ヤマザクラなど、約500本もの桜が咲き誇る花見の名所だ。池のほとりに建つ和風ダイニング「サブライム」では、店内から大窓いっぱいに咲く桜を眺めることができる。
しかもこの店の看板メニューが「桜肉」というのもオツではないか。馬刺しは上赤身・炙りはらみ・コウネなどと種類豊富で、厳選された新鮮魚介の刺し身盛合せなども食べごたえ抜群。全国各地の地酒で召し上がれ。
「サブライム 井の頭公園店」
住所:東京都三鷹市井の頭4-1-11 水月ビル2F
電話番号:0422-48-7734
営業:17:00~21:30LO(土・日曜、祝日は11:30から)
②レアな「おかめ桜」を堪能できる代々木ヴィレッジの「ミュージックバー」
音楽プロデューサー、小林武史氏が手掛ける代々木ヴィレッジ。ここは
プラントハンター、西畠清順氏が世界中から集めた120種類以上の植物が集まる“都会の秘境”だ。春にはもちろん、桜もお目見えする。
敷地最奥にある「ミュージックバー」は、小林氏が厳選した3000枚超のレコードが楽しめることで人気だが、春には花見も堪能でき、東京ではほとんどお目にかかれないレアな枝垂桜「おかめ桜」も拝める。テラス席も屋根付きなので雨でも安心。上質なイタリアンと上質な音楽で、上質な桜を楽しむ。ここでしか体験できない極上の時間だ。
「ミュージックバー」
住所:東京都渋谷区代々木1-28-9 代々木VILLAGE内
電話番号:03-6276-8440
営業:18:00~翌2:30LO(日曜、祝日は23:30LO)
③ライトアップされた夜桜に酔う、駅直結・天満橋の「リバーカフェ」
天満橋駅の改札から徒歩1分のところにあるイタリアンバル「リバーカフェ」。川沿いの席からは、約4700本ものソメイヨシノが咲く大川を眺めることができる。昼夜それぞれ営業しているが、オススメはやはりライトが照らし出す迫力満点の夜桜だ。
シーフード料理にソムリエ厳選の白ワインを合わせ、ライトアップされた幻想的な夜桜に酔いしれる。まさに至福のひと時。平日は23:30まで営業しているのもうれしい。駅直結だから終電も逃さずに済むはずだ。
「天満橋リバーカフェ」
住所:大阪府大阪市中央区天満橋京町1-1 パナンテ京阪内
電話番号:06-6949-5055
営業:11:00~15:00LO、16:00~22:30LO(土・日曜、祝日は22:00LO)
④遅咲きの八重桜を目黒川で愛でる、中目黒の「焼鶏あきら」
「今年は花見をし損ねた……」と嘆く前にチェックしたいのがここ、中目黒の「焼鶏あきら」。ここでは、4月半ば頃から遅咲きの八重桜を満喫できる。
京都の川床をイメージした店内は、まるで祇園に迷い込んだと錯覚するほどのクオリティ。どの席からも目黒川に咲く桜を望めるが、窓際のお座敷は「特等席」なので積極的に狙ってみよう。
こちらの焼き鳥は串に刺さず、七輪で焼く「焼き肉スタイル」がウリ。フォトジェニックな盛り付けや食器も人気の理由で、正直、桜がなくても行きたくなる……なんて言ったら元も子もないか。
「焼鶏あきら 中目黒本店」
住所:東京都目黒区中目黒1-10-23 リバーサイドテラス106
電話番号:03-3793-0051
営業:17:00~翌1:00LO
インドア花見なら花見グッズやゴミなどを持ち帰る必要もない。美味しい料理と酒でホロ酔い気分になったら、桜を愛でながら散歩して〆る……なんとも粋ではないか。どの店も早めの予約がマスト。ただし「花より団子」は覚悟のうえで入店を。
ぎぎまき=文