1992年に公開された映画『リバー・ランズ・スルー・イット』で観たアメリカ・モンタナの広大な自然と、優雅にフライフィッシングに興じるブラッド・ピットの姿は、いつまでも心の奥底に焼き付いている。あれから30年近く経ったけれど、その憧れはやはりなくなってはいない。
忙しないウィークデイに、突発的にカントリーライフがしたくなる衝動は誰にでもあるかもしれないが、それを実行するのは難しい。だけど週末に釣りに出かけることは、誰にだってできる。東京・水道橋にある釣り具店「ハーミット」の店主、稲見一郎さんに今すぐ準備すべきものを聞いてみた。
「オークリー」のサングラスと完成品のフライ
[左]光が乱反射する水面が見やすくなる偏光レンズ仕様のサングラス。信頼のブランド発、リーシュコード付きの「スプリットショット」は2018年秋冬登場の準新作だ。
[右]こんなきれいなフライに、魚が喰らい付いてくることに最初は驚く。残念ながら美しいフライを自分で巻けるようにならないと、フライフィッシャーマンとは呼べないらしい。
釣り人必読の名著
釣りに魅せられた男の人生に思いを馳せられる2冊。
[左]パリの高級ホテル、リッツの2代目オーナーであり、ヘミングウェイが「私の知る最も素晴らしい釣師のひとり」と称した、シャルル・リッツ著の「A Fly Fisher’s Life ある釣師の覚え書き」。
[右]芥川賞作家、開高 健と世界中を旅したカメラマン高橋昇が、数々のエピソードを綴った著書「旅人 開高健」。
「コロンビア ブラックレーベル」×「マウンテンリサーチ」のフィッシングベスト
1960年に製品化されたコロンビアの名品「マルチポケットフィッシングベスト」を、以前からの愛用者、デザイナーの小林節正さんがアップデートさせた。
「ダイワ」のフィッシンググローブと「フィッシュポンド」のランバーパック
3本の指先部分をカットしたグローブは、手元で細かい作業が必要な釣りに欠かせないもの。これは通気性とグリップ力が高いナノフロントメッシュを使った高機能モデル。右は、オイルフィニッシュの帆布の風合いがアウトドアに馴染むランバーパック。フライフィッシングはベストを着る人が多いけど、バッグを使うならコンパクトに。
「サウス2 ウエスト8」のフィッシングジャケット
日本の伝統的な釣法「テンカラ」に対応するジャケットは、フライフィッシングにも活用が可能。大小揃ったフラップポケットに加えてロッドホルダーも装備している。
「ストリームトレイル」のバッグ
悪い足場での転倒に備えて、防水バッグが必需品。こんなターポリン素材のものを。
「アキスコ」のフォーセップ
フォーセップは、魚を釣ったときに針を口から外すためのハサミのようなツールで、必須アイテムのひとつ。釣れるまでは、ウェアにぶら下げておくのがセオリーだ。
「サウス2 ウエスト8」のパーカ&パンツ
服の上から着ることで防虫効果を持たせるメッシュパーカとパンツは、夏釣りも想定して揃えておくべき。ハンターカモ柄が山に似合う。
鈴木泰之=写真 遠藤 寛=スタイリング 川瀬拓郎、長谷川茂雄=編集・文