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2019.01.13

2019年の車の新常識、消費増税前はホントに乗り換え時なのか?

平成の歌姫の引退劇に炭酸水の爆発的なヒットなど。 2018年も多くのトレンドが生まれたが、 2019年は何が話題になるだろう?  オッサンが知っておくべき流行予測を7人の識者に依頼した。まずは自動車ライター籠島康弘さんに、車をめぐる3つの注目ポイントをお聞きする。
「ハイ、メルセデス」。
そう呼びかければスイッチなんかいじらなくても車が好きな音楽をかけてくれ、温度も調整してくれる(メルセデス・ベンツAクラス)。そんな時代に突入したのが2018年だったが、2019年はどうなるだろう? 注目のポイントは以下の3つだ。
[2019年のカーライフ流行予測]
①電気自動車(EV)がますます身近になる!

②OC世代に便利なコンパクトSUVがグンと増える!
③車を持たずにカーライフを楽しむシェアリングが普及する!

予測①電気自動車(EV)がますます身近になる!

メルセデス・ベンツブランド初の市販EV「EQC」(Mercedes-Benz EQC)。
カール・ベンツがガソリンエンジンで走る「自動車」を発明してから130年以上経つけれど、そのカール・ベンツの興したメルセデス・ベンツが2019年に同社初の電気自動車「EQC」を、アウディは「e-tron」、ポルシェは「タイカン」を発売する予定だ。これらの日本導入は2020年になりそうだが、ホンダもコンパクトな電気自動車を2019年に発売すると噂されている。
なにしろアメリカを抜いて世界一の自動車市場になった中国が、国策として電気自動車化を推し進めている。フランスやイギリスでも2040〜2050年にはガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する予定で、もたもたしていたら中国の自動車メーカーに未来の車市場を抑えられてしまうのだから、各社が電気自動車の開発を急ぐのは当然というわけだ。
日本では三菱自動車のi-MiEVや日産 リーフ以降、テスラが上陸して、BMWもi3を用意し、2018年にはフォルクスワーゲンがゴルフの電気自動車・eゴルフを、ジャガーも電気自動車・Iペースの発売を始めた。そこにメルセデス・ベンツやアウディ、ポルシェにホンダも揃えてくれれば、電気自動車がグッと身近になるんじゃないだろうか。
 

予測②OC世代に便利なコンパクトSUVがグンと増える!

レクサスが2018年に発売したコンパクトSUV「UX」。
そもそもSUV人気を作ったのは、1998年にアメリカで販売されたレクサス RX(日本名はハリアー)や2000年に登場したBMW X5と言われ、以降世界の自動車メーカーがこぞってSUVを作ってきた。ちなみに先のEQCやe-tron、IペースもSUVだ。
広大な国土をもつアメリカではSUVをコンパクト化する必要なんてなかったのだが、中国でもSUV人気が高まり、世界のナンバー1と2の市場がこぞってSUV推しともなれば、もはや道の広さ云々じゃなくなった。
状況は一変、車といえばセダンという時代から大きくパラダイムシフトし、ラインナップにSUVを揃えるのが当たり前に。2018年はランボルギーニやロールスロイスまでSUVを販売し始め、今やSUVを作っていないのはフェラーリくらいである。
コンパクトクラスも例外ではない。ホンダ フィットをベースにしたヴェゼルがバカ売れし、トヨタ プリウスと同じプラットフォームのC-HRがそれを上回った。2019年にはこのコンパクトSUVがさらに増えていく。
2018年の年末にはレクサスがC-HRのレクサス版であるUXを投入。2019年にはメルセデス・ベンツAクラスのSUV GLAのデビューが予定されている。またアウディは2代目のQ3を間もなく日本にも導入し、フォルクスワーゲンもアウディQ3よりさらに小さい新型車T-ROCを2019年に発売するらしい。T-ROCは将来的にオープンカー(コンパクトSUVのオープンカー!)も作られるようだ。
もはやSUVじゃなければ車じゃない、って雰囲気だけど、都会で暮らし大自然へ遊びに行く僕らにとっては、狭い街中も、雪道や砂地も走れるコンパクトなSUVが増えるのは当然ウェルカムだ。
 

予測③車を持たずにカーライフを楽しむシェアリングが普及する!


2019年に注目したい最後のトレンドは“シェアリング”だ。2018年にはタイムズのカーシェアリング会員数が100万人を突破した。「車を持たずにカーライフを楽しむ」人々が急速に増えているっていうわけ。
メルセデス・ベンツは2018年にNTTドコモのカーシェアリングサービス「dカーシェア」と協業することを発表。アウディも自社(アウディ ジャパン)で、ジャガーはタイムズ24と組んでレンタカーサービスを始めるなど、自動車メーカー各社はこぞってシェアリング事業に積極的だ。
そんななか、ついに国内販売台数の約50%を占めるトヨタも動き出す。2019年内に自社でカーシェアリング事業を本格的に展開する予定だ。実はドイツではカーシェアリングが日本以上に進んでいて、メルセデス・ベンツやBMWは以前から自社でカーシェアリング事業を展開している。
自動運転やコネクテッドカー(繋がる車)など、いろいろな戦略を考えると、もう車を作って売るだけが自動車メーカーじゃないということなんだけれど、そんな話はともかく。駐車場代が高い都会に住み、そのうえ高い税金や自動車保険を払わなきゃいけない僕らにとって、カーシェアリングでいろんな車に乗れるようになることは朗報だ。
 
というわけで2019年は、電気自動車やコンパクトSUVと、選べる車の選択の幅が広がりそうだ。しかも買わずに乗るというライフスタイルまで選べるようになる。もう最高馬力や燃費だけで車を選ぶ、なんてバカらしい? 自分に合ったカーライフを、最高に楽しもう。
籠島康弘(かごしま・やすひろ)
自動車ライター。「カーセンサー」編集部を経てフリーに。現在の愛車はルノー・アヴァンタイムと、1995年式のフィアット・パンダ。ただしこのパンダ、中身が三菱i-MiEVという改造電気自動車だ。


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