いやコレ、本当の話。実際に洒落た大人こそ、いつも同じ服を着ていたのだ。でも、こだわりのある大人たちだけに、ついついワードローブからソレを手に取ってしまう理由が面白い。知れば、新しい視点で服と付き合えるはず。
パッと見たところ、いわゆる定番のジャケットスタイルでは?
いやいや、今回こだわりを教えてくれたお二方は、憧れのイメージを胸にファッションを楽しんでいるのです。そのエピソードやいかに!
「エイチ ビューティ&ユース」のデニムジャケット
ユナイテッドアローズ 新宿店 店長
高野 剛さん Age41
渋カジ全盛の時代、リーバイスのヴィンテージGジャンに憧れた人は多いはず。高野さんもそのひとりで「今もその格好良さに惹かれる。でも、大人としてはそのままだと野暮ったくなりそうでムズカシイな、と」。そんなときに見つけたのが、リアルヴィンテージのようなエイチのオリジナルのもの。
今っぽさのあるドロップショルダーだから、「細身のデニムに合わせるだけでも、シルエットの緩急が付いてキマる」。そのうえ「ナチュラルな色落ちのブルーデニムをインナーから覗かせれば、着こなしに味わいが生まれるんです」。イージーに多彩に着こなせるのだ。
コイツもついつい「エイチ ビューティ&ユース」のニットアウターがカジュアルなときこそ、インナーはカシミヤのコイツで品の良さを加えるのが高野流。
「キャプテン サンシャイン」のジャケット
「モスコット トウキョウ」店長
重田智章さん Age 35
映画や音楽をこよなく愛する重田さんが普段洋服を選ぶとき、必ずインスピレーションとなる元ネタがある。例えば、「キャプテン サンシャインのファティーグジャケットはひと目見たとき、映画『インヒアレント・ヴァイス』で主演のホアキン・フェニックスが着ていたものを思い出して購入したものなんです」と言う。
「そうやって選んだものだと、着こなしを考えるうえでもいつもワクワクできるんです。例えば映画ではこのジャケットでシャンブレーシャツを合わせていたな……なんて」。なるほど、視点を変えるだけで、映画もファッションも楽しみ方は無限に広がる、というワケだ。
コイツもついつい「モスコット」のメガネ定番の「レムトッシュ」の新色は、ミリタリーカラーの装いに統一感をもたらすオリーブ色だ。
中野 理=写真 野村優歩=文 今野 壘=編集・文