一念発起した麻里絵さんは退職し、そのバーの料理担当として働き始めた。「ああ、この感じ」と子供の頃の記憶が蘇ったそうだ。
「そこからは飲食街道まっしぐらですね。キッチンカーみたいな移動販売に憧れた時期もありましたが、今はこのお店のことしか考えていません」
恒例の看板娘評を伺うと、店長は「笑顔が最高にいい。あと、チャリを漕ぐのがめっちゃ速いですね」。シェフは「真面目で明るい性格。あと、いい匂いがするのでチャリでは前を走ってほしい」。
ふたりとも、後半に興味深いネタをぶっこんできた。麻里絵さんはオーナーから誕生日祝いでもらった電動アシスト自転車で通勤しているとのこと。
さて、麻里絵さん。お酒のお代わりは何がいいですかね?
「日本酒とおでんという島根のマリアージュで行きましょうか」
おでんの出汁は島根産のシジミで取っているという。大根とアメリケーヌソース(400円)、牛タン(500円)を注文した。
オマール海老や甘海老の殻を炒めて作るのがアメリケーヌソース。そして、島根の日本酒「王祿」(650円)はマイナス5℃で管理できる酒屋にしか卸さないという、こだわりの酒だ。
牛タンは丸々一本を低温調理。大根の上には「食べられる紅葉の葉っぱ」が乗っている。シジミスープはもちろん飲み干す。居酒屋レストランではなく「IZAKAYA RESTAURANT」の真骨頂を見た。
大満足したところで、お会計。麻里絵さんは、就くべくして就いた飲食の仕事で最上級のBrodoを出していた。
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