突然訪れたターニングポイント
再び崖っぷちに追いやられた長谷川だったが、キャリアのターニングポイントは、あまりにも突然に訪れた。
2004年のシーズンも折り返しが近づく第18節のコンサドーレ札幌戦で、途中出場という形でアピールのチャンスを得た長谷川は、後半終了間際に、見事なジャンピングボレーで決勝点となるゴールを挙げたのだ。
チームに勝利をもたらすこのゴールは、長谷川にとって、ヴァンフォーレ甲府への移籍後初ゴールでもあった。まさに起死回生のゴール。この1点をきっかけに出場機会を増やしていった長谷川は、この年19試合に出場し4得点を挙げ、翌年の契約延長をなんとか手に入れた。
プロサッカー選手として生きていくためのわずかな希望の糸をたぐり寄せた長谷川は、翌年、その才能を一気に開花させる。2005年、長谷川は、自慢の俊敏性とゴールへの積極的な姿勢を武器に、シーズン序盤から得点を重ね、リーグ戦で日本人最多となる17点を上げる大活躍をみせたのだった。
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