汗が滴るこの季節、キンキンに冷えたビールが美味いのなんのって。
特にビアガーデンで飲む一杯は最高だが、それをさらに格別にしてくれる普通じゃないビアガーデンがある。
今回は「夏を粋に愉しむ」をテーマに、和なスパイスを利かせた東西のビアガーデンをピックアップ。どちらもオッサンになった今だからこそ魅力を味わえる内容だ。
【東】の代表
御茶ノ水で「お茶×ビール」という新感覚を堪能するビアガーデン
“茶を食す”和食ダイニング「レストラン 1899 お茶の水」が2015年から夏季限定でオープンしている「抹茶ビアガーデン」。お茶とビールという革命的なペアリングは、何度も試作を重ねてようやく完成した一品だという。
茶葉とホップのビターな風味が不思議なまろやかさを演出する「抹茶ビール」をはじめ、今では「ほうじ茶」や「紅茶」など、5種類もの“お茶ビール”が仲間入り。
酒のアテには「抹茶レバーペースト」や「フィッシュ&茶ップス」といったオツマミならぬ“オ茶マミ”も楽しめる。
風情溢れるビールでの乾杯は盛り上がること必至。ビジネスシーンにおいても「抹茶ビールって知ってます?」と誘ってグラスを合わせれば、テーブルトークに花が咲くに違いない。
【西】の代表
茶を点てるより“男を立てる”? 京都の粋なビアガーデン
抹茶を点てるのが東のおもてなしなら、男を立ててくれるのが西の「上七軒(かみひちけん)ビアガーデン」だ。
花街の魅力を味わってもらおうと、終戦間もな い1948年頃から始まった京都の夏の風物詩で、 秋や春には舞踊を披露する。
ビアガーデンでは、浴衣姿の舞妓たちが客席をまわり、心地よくゲストをもてなしてくれる。舞妓の世界は「一見さんお断り」も多いが、ここは観光客もウェルカム。「おこしやす〜」とお出迎えされ、ビールと粋な接客にすっかり気分も上々だ。
「上七軒ビアガーデン」(上七軒歌舞練場内) 住所:京都市上京区今出川通七本松西入真盛町742電話番号:075-461-0148営業時間:17:30〜22:00(予約制)※9月5日(水)までwww.maiko3.com 抹茶を点てるか、男を立てるか。どちらも捨てがたく、東西の“粋”なおもてなしに思う存分酔ってみたい。それでは皆さん、“酔い”夏を!
ぎぎまき=取材・文