小さなボディに仕掛けられた壮大なカラクリワールド。厳しい環境に立つ使い手のために開発された常識破りのスペックをご覧あれ。
RICHARD MILLE
リシャール・ミル/RM 53-01 トゥールビヨン パブロ・マクドナウ
優雅さに秘めたタフネスはポロにふさわしい
ポロ競技のチャンピオン、パブロ・マクドナウ選手のために開発された。エレガントに見えるポロも、馬上から全力で振られるマレットの衝撃は破壊的で、2012年に発表された第1弾は、これに耐えるためにチタンの鎧で全面が覆われていた。
第2弾の新作は、時計では初めて薄いポリビニールフィルムを2枚のサファイアクリスタルで挟み、たとえヒビが入ることはあっても砕け散ることはない。
さらに0.27mmの極細ケーブルを使ってムーブメントを吊るすサスペンション構造を採用。デリケートなトゥールビヨンを振動や衝撃からしっかりと守るのだ。
PANERAI
パネライ/ラジオミール 1940 ミニッツリピーター カリヨン トゥールビヨン GMT-49MM
海で磨かれた革新のミニッツリピータ−
航海では時間は船鐘で伝えられ、海の世界と深く関わるパネライにとって、ミニッツリピーターの導入は当然の帰結だったのだろう。
通常の2つではなく3つのハンマーを持つカリヨン式を採用し、単音で時と分、3連音で10分を示す。これも一般的な15分ではなく、10分ごとにすることで、音でも時刻がよりわかりやすく確認できるのだ。
もうひとつの画期的な機能は、セカンドタイムゾーン機構に合わせ、時間を選べること。9時位置のセレクターがホームとローカルのいずれかの時間帯を表示し、その現在時刻を時打ちで知ることができる。
旅をより優雅に変える、心憎い機構である。
ANGELUS
アンジェラス/U50 ダイバー トゥールビヨン
常識を覆すトゥールビヨン搭載ダイバーズ
ブランド初のダイバーズウォッチにして、なんとトゥールビヨンを搭載。
しかも300m防水とヘリウムの自動減圧バルブを装備した本格機能にもかかわらず、回転式インナーベゼルに、スケルトンダイヤルという従来の常識を覆す仕様に驚きを隠せない。
4年をかけて開発されたムーブメントは、地板と受けという通常の構造ではなく2枚のプレートに挟み込まれるように設計され、オープンワークにより大幅な軽量化を図る一方、剛性にも優れる。
また、スポーティでありながら、どこか伝統的なドレスウォッチの面影を残すルックスも魅力のひとつ。シンボリックな6スポークデザインは、ダイビングのようなハードな環境下でも精度を守る。
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
K18=18金