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2018.07.21

時計

わずか数cmに詰まった小宇宙。壮大な仕掛けが詰まった腕時計

超複雑機構を持つ時計は、小さな宇宙とさえ称えられる。それらは現代で、技術革新と結びつき、飛躍的に進化を遂げる。ただしその根底にあるのは、人間の創造性や探求心。だからこそ、魅力も無限に広がるのだ。

LOUIS VUITTON
ルイ・ヴィトン/タンブール ムーン ミステリューズ フライング トゥールビヨン
洒脱と技術が織りなす、新たなミステリー

Ptケース、45mm径、手巻き。3275万円[参考価格]/ルイ・ヴィトン 0120-00-1854
時分針が宙に浮いているように見えるミステリアスムーブメントの原理は意外と古く、19世紀に考案された。
それは、透明なクリスタルディスクに付けられた指針がディスクの回転によって動き続け、まるで何も介在していないかのように見る者を錯覚させたのだ。
この機構はさらに進化を遂げ、ムーブメントまでも透明な文字盤に浮かび上がらせる。
今作においては、2重になった香箱、針を動かすセンターホイール、フライングトゥールビヨンのキャリッジが縦一列に並び、ダイナミックに動く様子は、まさに圧巻だ。
トゥールビヨンキャリッジの裏側には、持ち主のイニシャルを入れることが可能。それも、メゾンらしい洒脱だ。
 

A. LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ/トリプルスプリット
複雑に進化を遂げたクロノグラフ

K18WGケース、43.2mm径、自動巻き。13万9000ユーロ[参考価格]/A.ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080
クロノグラフは、進み続ける時刻と、任意で経過時間を計測するふたつの機能を併せ持つ。その上位に当たる機構がスプリットセコンドと呼ばれる。
これはクロノグラフの積算秒針に針をもう1本追加し、通常は2重になって進むが、操作によって重なった1本を止めることができるもの。
つまり、ラップタイムや2つの時間差を計ることができ、リセットすれば止まった針は動き続ける針に再び追いつく。
こちらの新作は、この機能を秒積算だけでなく、分積算と時積算それぞれに設けた、世界初の機械式トリプルラトラパントだ。計測タイムは従来の最長12時間までの積算と比較を実現した。

 

ZENITH
ゼニス/デファイ ゼロG
脱進機を水平に保ち、重力の影響を抑える

チタンケース、44mm径、手巻き。1070万円/ゼニス 03-5524-6420
毎時3万6000振動のハイビートクロノグラフの世界を切り拓いたゼニスは、究極の精度を追求すべく、2010年に独創的な脱進機構を開発した。
「グラヴィティコントロール」と呼ばれるジャイロスコープモジュールは、揺れる船内でも精度を維持するマリンクロノメーターのように、調速と脱進の機構を常に水平の位置に保つことで、重力が歩度に与える影響を抑える。
新作ではこれを見直し、機構のボリュームを当初の30%までサイズダウン。従来は前後2枚のサファイアクリスタルを球状に膨らませて収納したが、フラットに収まるようになった。デファイのデザインを纏い、エル・プリメロの新世紀を宣言するのだ。
 

ROGER DUBUIS
ロジェ・デュブイ/エクスカリバー アヴェンタドール S
スーパーカーとのコラボはトップギアに

世界限定88本。カーボンケース、45mm径、手巻き。2310万円/ロジェ・デュブイ 03-4461-8040
昨年リリースされたピレリに続いて、ランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラ・コルセとのコラボレーションを発表。ロジェ・デュブイはモータースポーツとのより親密な関係を築く。
そのシンボルモデルは、それぞれ45度に傾斜させたダブルスプリングバランスをディファレンシャルギアでつなげた。
スケルトン文字盤を通して覗くムーブメントは、エンジンヘッドカバーを思わせるデザインを採用するなど、クルマの持つ世界観と迫力を再現している。
また、ケースやベゼルにはランボルギーニの車体に使われるのと同様のC-SMCカーボンを採用し、機能とイメージを共有する。
 
※本文中における素材の略称は以下のとおり。
K18=18金、WG=ホワイトゴールド、Pt=プラチナ


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