「よく働き、よく遊ぶ」「海と街」「父として男として」、そんなグッドバランスに生きる大人たちの日常に寄り添うモノたち。反射的に心を奪われ、末永く愛することのできる、そんなアイテムを紹介する全2回の短期連載。
後編は、いつもの気分をグッと盛り上げるウェアや小物をご紹介。
>前編「大人としての面目も保つ冬の必携アウター」はこちら「フレッド」のフォース10リング
薬指以来の恋ゴコロ。永遠を誓ったあの日から、左手薬指は意味を持つようになった。ただ、それひとつで指先のお洒落が満員御礼になるなんて実にもったいない。
ヨットのシャックルをモチーフにした「フォース10」のリングは、冒険マインドを漂わせてくれる、言わずとしれた自由な大人のためのジュエリー。リングをはめた瞬間、何かが始まるような新鮮でポジティブな感覚に包まれる。ね、この気持ちってちょっと“恋ゴコロ”に似てない?
「ユナイテッドアローズ」で見つけた
“ノーザン クロフター”のシェットランドウールニット
ムジムジくんにはわかるまい。
無地のTシャツやニットが、着こなしやすく使い勝手がいいことは知っている。でも、メッセージロゴの入った服は、見た目にも洒落ていて、くだけた雰囲気が出るからやっぱり好きだ。
例えばこんな上質なシェットランドウールのニット。希少で上質な素材なのに、ロゴTみたくカジュアルに着られちゃう。それに「マインドを着る魅力」があるのもいいよね。
う〜ん、いっぺん着てみないとわからないだろうなぁ、無地ばかりを着ているちょっとまじめなムジムジくんにはさ。
「ダヴィンチ ファーロ」の4-WAYバッグ
遊び上手の証しはバッグに表れる。
例えば、週末のバイク遊び。誰にも邪魔されずに自分らしさを取り戻せる貴重な時間である。とはいえもういい大人。仕事、家庭、自分の時間の三角バランスをどう保つか、どの場面も心から楽しめるかが大切だ。
そこで提案。ひとつのバッグをショルダー、リュック、手提げ、さらにはフロントポケットを取り外してボディバッグにトランスフォームさせながら、三角の間を柔軟に軽快に行き来できるバッグなんてどう? そういうやりくりができてこそ、本当の「遊び上手」かもしれませんよ。
「タケオキクチ」のカシミヤニット
目指せ、かわいいオッサン。
「年だから」「オッサンだから」と決めつけて、カッコつけて生きるだけっていうのは正直しんどい。本当はオッサンだって、愛されたい生き物なの。年齢にとらわれない、かわいらしさやオチャメな部分をチラッと見せて、みんなから「カワイイ♡」、なんてさ。
服はそれを実現できる最大の魔法。手はじめに、激シブなダークカラー&ベーシックカラー一辺倒を脱して、思い切ってピンクを選んでみよう。内モンゴル産の上質なカシミヤだからこそできる発色で、見る人の気分もシアワセカラーに染めていくはず。
「ハーヴェスト・レーベル」の3-WAYブリーフ
かけがえのない背負うものがある。
そう、職場に向かう時間ギリギリまで布団に潜っていた時代もあった。スポーティな自転車にまたがって颯爽と風を切っていた時代も。それが今や、肌寒い早朝に起きて、必死にペダルを漕いで子供を送り届けている現実がある。
だけれども実はちょっと、バックパックを背負って走る自分が誇らしく、こんな毎日がとても愛おしかったりする。時に「これが理想のヒーロー像だった?」と自問することもあるけれど。大丈夫。そんな父親の背中は、必ず、いちばん見ていてほしい人が見てくれているからさ。さぁ、今日も1日張り切って出発しようぜ。
「フォーナインズ」のメガネ
メガネを変えた。髪型も少し変えたくなった。
長年使っていたメガネ。周りはそれも含めて自分の顔を覚えているんじゃないかと思うし、掛け具合に慣れているから変えるきっかけもそういえばなかった。だからこそ、こんなに印象が変わるなんて知らなかった。
新しく選んだメガネのデザインはフォーナインズのサーモント。「あれ、こんなに顔しまってたっけ?」「あれ、こんな知的な表情をすることあったっけ?」。買い替えた日の明くる朝、鏡の前に立ち自分の新しい顔に少し照れながら、髪型も少し変えたくなった。
「ビューティ&ユース」で見つけた“グラミチ”の別注ボアパンツ
日曜、午前9時。愛すべき週末の相棒。
日曜の朝は、一週間でいちばんニュートラルな時間。アタマを休め、カラダをリセットして、できるだけ心地良く過ごしたい。
身に着けるものだって同じ。ストレスフリーな服しか着たくない。けどね、オーシャンズ世代が選ぶのは単なる“パパパジャマ”じゃないのである。肌触りが良く、身も心も包んでくれるような温もりがあって、なおかつルックスも最高。まぁ、それだけのワガママと信頼をかなえてくれる出会いがあったなら、それはもう確実に自分だけの「相棒」確定でしょ。
「ヴァンズ」のニット
どうしようもなく好きなものがある幸せ。
いくつになったって、生活が変わったって、たまらなく好きなものがある。週1で通う海がいつの日か、ライフスタイルにしっかり染みついたように。中身のない服には惹かれず、カルチャーやストーリーを纏いたいと思うようになったんだ。
例えばサーフ&エクストリームスポーツシーンの象徴、ヴァンズは永遠のマイスタンダード。日常着に取り入れることで、アイデンディティを高めてくれる。家庭や職場、取り巻く環境の変化で、海に向かう頻度が少なくなったとしても、自分だけの「好き」とはやっぱり密接でいたいのだ。
巷にモノが溢れかえっている今、我々大人にとって何が最良のアイテムなのか。それはきっと昔から変わらないものなのかもしれないし、モチベーションを上げ、こだわりを現すアイコンなのかもしれない。でも確実に言えるのは、肩肘張らずに寄り添えて、共に歩んで行けるものなんだろうな。
岡田 潤(bNm)=写真 菊池陽之介=スタイリング yoboon=ヘアメイク