「日本人初の100m9秒台」からも分かるように、変化や高度な技術を伝える上で、数字ほどわかりやすい表現法はないかもしれない。そこで、ふたつの記録的数字から、マシン好きな我々にはたまらない最新トピックスを。
「BMW モトトラッド」の“HP4レース”
公道走行不可! サーキットを速く走るためだけに生まれた“HP4 レース”(1000万円)が、世界750台の限定で発売される。
スーパーバイク選手権のワークスマシンに準じた999cc/215馬力のハイスペックに最新電子デバイスを搭載し、その骨格はBMWの超精鋭職人によるハンドメイドという1台。注目は金属の代替としてメインフレーム&ホイールに世界初となるカーボン素材を採用したこと。それにより車重171㎏と、ベースの“S1000 RR”から36㎏のダイエットを実現したのである。
まさに好事家のためのバイクだけど、この徹底したこだわりを考えれば、4ケタ万円は決して驚く事ではない、のだな。
「ポルシェ」の“911 GT2 RS”
もっと身体を軽〜くしたい。そして俊敏に動きたい。いつの時代も共通のオッサンの理想を体現しているのが、歴代“911”で最強出力を誇る「ポルシェ」の新型“911 GT2 RS”(3656万円)だ。
マグネシウム製ルーフトップや軽量ガラスの装着など、見事に軽量化&ビルドアップされた美しい体躯。さらに心臓部には700馬力を誇るフラット6エンジンにより、0→100㎞/h加速は何と2.8秒! そのビッグパワーを「リアエンジン・リアドライブ=RR」で操るという男らしさ。まさに憧れの存在である。
でも、大きなリアウイングの尻に敷かれて抑え込まれている点は俺たちと同じか。なんて思うと憧れが親しみに変わるなぁ。
マシンに目がないオッサンにとって、これらの数字が表す凄さ、きっと分かってもらえるはず。おいそれと手を出せる金額でもないが、見ているだけでもワクワクが止まらないでしょ?
鈴木康之=写真 鈴木淳子=スタイリング