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2021.07.14

時計

「タグ・ホイヤー」の進化の現在地。新作アクアレーサーが示したアーカイブの価値

タグ・ホイヤーは、モーターレーシングと深く関わり、その世界観をブランドのイメージに重ねてきた。シンボルのひとつが1969年初出の「モナコ」である。
左リュウズを採用したアバンギャルドなこのタイムピースを、名優スティーブ・マックイーンが映画『栄光のル・マン』で着用していたエピソードはあまりに有名。
だが「モナコ」にはサーキットだけではない、革新的な技術も投入された事実が存在する。
革新的な進化を続ける「タグ・ホイヤー」。その現在地を示す新作ダイバーズウォッチとは
1978年に発売された初のダイバーズウォッチ「ホイヤーRef. 844」。トリビュートモデルは、赤い24時間目盛りに、シンボルの八角形に変えたパンチラバーストラップを採用。蓄光塗料も経年変化した色合いを再現した。
世界初の自動巻き式クロノグラフムーブメントを搭載したことで名高い「モナコ」だが、もうひとつの革新性は世界初の角形防水時計ということだ。
丸形と比較して角形ケースの場合、防水性能のキモである気密性を高めることはきわめて難しい。それをタグ・ホイヤーは高い技術力を持ってなしえたのである。

だが’70年代、クオーツショックによってスイス時計全体が深刻な不況に陥った。
タグ・ホイヤーは新たなスタートとしてこれまでのモーターレーシングに加えて、ダイバーズ分野に本格進出し、’78年にはこれまでのノウハウを活かしたブランド初のダイバーズ「Ref. 844」を発表した。
2004年にはついに初代「アクアレーサー」が誕生。’15年には現行シリーズへと熟成を重ねている。


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