Watchの群像劇 Vol.39
2021.01.31
WATCH

旅立つ君にエールを。ルイ・ヴィトンの“GMTウォッチ”が繋ぐ親子の絆

「腕時計と男の物語」とは……

歩道橋から眺める新国立競技場は夕日に染まり、まるでこの1年を象徴するようだった。本来ならば熱狂の夏を迎えていただろう。だがそれも幻となり、ひっそりと静まり返る中、目的を見失い途方に暮れている。

遡れば56年前この地で開催された開会式には7万5000人の大観衆が会場に詰めかけ、その興奮を間近に感じようとそれ以上の8万人の群衆が場外を取り巻いたそうだ。人々にとってそれは敗戦からのゴールであり、まさに現代を目指すスタートだったのだ。

だが今ゴールにたどりつけず、新たなスタートを切ることすらできない。なんだかそれは並んで歩く娘のようでもあった。

高校生の娘は今年予定していた念願の留学がかなわなかったのだ。元気のない娘を励まそうと街に連れ出したのだが、場所が悪かったのかもしれない。いつまでも歩道橋から離れようとしない背中に向かって話しかけた。

旅立つ君にいつでもエールを。ルイ・ヴィトンの“GMTウォッチ”が繋ぐ親子の絆
腕時計69万4000円、ジャケット34万4000円、シャツ9万7000円、バッグ30万9000円/すべてルイ・ヴィトン 0120-00-1854

「でもなぁ、父さん、ちょっとホッとしてるんだよ。お前が外国で暮らすなんて信じられなかったから」。いけねっ、火に油を注いだか。いつもこれで妻に叱られる。

「まったくいつまでも子供だと思っているんだから」。そう言いながら振り返った娘は、意外にも微笑んでいた。

「お母さんから聞いたよ。私に気付かれないように留学先やホームステイ先とも連絡を取り合っていたことを」。うっ、バレてたか。

「私も最初は悔しくて、周囲に当たったりもしたけど、落ち込んでたってしょうがない。前に進まなくっちゃ」。

それにお父さんだって、とからかうように私の時計を差す。「それ、買ったんでしょ。海外にいる私と時間をいつも共有したいからって、お母さんにねだったって聞いたよ」。

そこまでお見通しだったのか。確かにルイ・ヴィトンの「タンブール ムーン デュアル・タイム グラフィット」のGMT針を見れば、たとえ離れていてもいつでも娘を身近に感じられると思ったからだ。

「それにこの競技場だって未来に向けて造られたんでしょ。この先何度だってチャンスはある」。

まるで自分自身に言い聞かせるように話す彼女を見て、大人になったことを実感した。そしてダイヤルのカラフルな12個のフラッグが、いつの日かこの地で大歓声とともにはためく万国旗にも見えた。それは彼女の時をいつも応援しているかのようである。

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旅の魅力を知り尽くしたブランドならではのGMT

SSケース、44mm径、クオーツ。69万4000円(ストラップにより価格は異なる)/ルイ・ヴィトン 0120-00-1854

LOUIS VUITTON
ルイ・ヴィトン/タンブール ムーン デュアル・タイム グラフィット

旅の神髄を標榜するメゾンには、やはりGMTが相応しい。ウォッチコレクションのシンボルである「タンブール」をベースに、ケースに三日月の弧を思わせるカーブを描くことから「タンブール ムーン」と名づけられた。

24時間表示のGMT針に加え、ダイヤルにデザインされた12のフラッグのアイコンが、往年のトラベルトランクを想起させる。工具を用いず、簡単にストラップ交換ができるデタッチャブル機構も旅先で重宝する。

 

※本文中における素材の略称:SS=ステンレススチール

「腕時計と男の物語」とは……
男には愛用の腕時計がある。最高の相棒として、その腕時計は男と同じ時間を刻んできた。楽しいときも、つらいときも、いかなるときも、だ。そんな男と腕時計が紡ぐ、とっておきの物語をここで。
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川田有二=写真 石川英治=スタイリング yoboon(coccina)=ヘアメイク 柴田 充=文

# ルイ・ヴィトン# GMT# Watchの群像劇# 腕時計
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