気持ち高ぶるオーバースペック。地上で機上のロマンを味わう腕時計
男にとって大空への憧れはいくつになっても変わらない。自ら操縦して自由に空を飛び回ることはできなくても、旅客機の機上にいるだけでも気持ちは高ぶる。
そして、機上でなくても大空へのロマンをかなえてくれるエキスパートウォッチは、常に我々の胸を焦がす存在。腕に着けるだけで、いつでもあの空へと飛び立つことができるのだ。
ブライトリング
「エクゾスペースB55 ナイトミッション」

パイロットウォッチの代表格といえばブライトリングだ。航空用回転計算尺を始めとする革新的な技術は、まさにプロフェッショナルのための計器としてパイロットを支え、時代とともに進化を遂げてきた。その伝統においてコネクテッドも当然の選択肢だったに違いない。
はたして誕生したブランド初のコネクテッドウォッチは、3針と上下にデジタルディスプレイを設けたデジアナ表示に、ライダータブ付きのベゼルを搭載したクロノグラフのスタイルでブライトリングらしさを崩さない。
だがスマートフォンの専用アプリと連携することで、計測した飛行時間やラップタイム、スプリットタイムなどを転送する一方、スマートフォンとの双方向で時刻やタイムゾーンなどの調整ほか、メールやメッセージ着信も確認できる。
それも時計本体のパフォーマンスを最大限にサポートする機能であり、あくまでもパイロットユースに特化する。その点でもブランドの文脈に沿うのだ。
トゥルーム
「Sコレクション」

大空に馳せる思いは、コックピットにずらりと並んだ計器への好奇心とそれを使いこなすパイロットへの憧れにも通じるのだろう。
航空計器を再現したデザインに、高度、方位、気圧の計測機能のほか、グライダーなどに採用されているバリオメーター(昇降計)を搭載する。
10時位置のインダイヤルで1秒間の上昇/下降を±5mで表示し、2時位置のインダイヤルの短針と長針で1000mと100m単位、センター針でそれ以下の高度を指し、航行時つねに変化する浮揚が実感できる。
さらにモードの切り替えにより、登録済みの起点の方向と現在地からの距離を表示するウェイポイント機能を装備。
2時位置のインダイヤルの長短針で9.9㎞から最長990㎞まで表示(3レンジ選択)し、センター針で北と10時位置のインダイヤルの針が起点の方角を指す。
こうした計測値をあえてアナログの針で表示することで、人間味ある動きにも相棒のような親しみが湧いてくる。
ベル&ロス
「BR 03-92 H.U.D」

航空機のコックピット計器から着想を得た角型時計は、2005年の誕生以来、先進技術を積極的に導入し、いまやブランドのアイコンになっている。
15年目を迎え、新作は新たな領域に注目。それがヘッドアップディスプレイ(H.U.D)だ。
現在のコックピットの計器はデジタル化とともに、透明なガラススクリーンに必要な情報を映し出すことで、パイロットは視界を切り替えることなく、つねに目前の状況と操縦に集中できる。H.U.Dはこのデザイン思想をモチーフに、時分秒を示す中央の三角マーカーと2本の針が美しいグリーンで浮かび上がる。
さらに暗所でも圧倒的な視認性を支えるのが、発光と持続時間において現在最高レベルを誇る夜光塗料のスーパールミノバのC3だ。ベル&ロスは2017年からこれを採用し、ラテン語の“ルーメン(光)”からLUMと名づけている。
技術革新に裏付けられた機能と独創的なデザインはブランドらしさであり、男心をそそる。
「趣味時計」とは……
時計が趣味だというのは当たり前。もはや時計は趣味の頼れるサポーターでもある。海で山で街で、はたまた家で。時計と一緒に、趣味の時間をもっと遊んドケイ!上に戻る
柴田 充=文