日本人は古来より月を愛でてきた。満ち欠け、季節、天候ごとに様々な名をつけ、その豊富さは世界でも類を見ないほどだ。
さてここに紹介するのは、厳選した6ブランドによるムーンフェイズウォッチだ。この六者六様な「月の表情」をじっくりとご堪能あれ。
月の満ち欠けとともに宇宙の時間に思いを馳せる
HERMÈS
エルメス/アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ
ケース内には時分表示用とカレンダー表示用の2つのスモールダイヤルが相対し、それぞれがダイヤルの中心を軸に、天体の如く回転する。これが約59日で1回転することで、北半球と南半球の月に重なり、月齢を示すのだ。
青い月光に照らされた夜空を思わせるブルーパールダイヤルに、MOPを用いた月はあえて北と南の上下の位置を入れ替え、南半球の月(12時位置)には代表的なスカーフのモチーフであるペガサスを転写するのもメゾンらしいエスプリだ。
超高精度ムーンフェイズは美しさと使いやすさも格別
A. LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ/グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ
1994年の復興以降、数々のムーンフェイズ時計を手掛け、ブランドを代表する機構のひとつになっている。「グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ」はムーンディスクを時分を表示するメインダイヤルに配し、独自のアシンメトリースタイルにさらなる磨きをかけた。
しかも122.6年間で僅か1日分の誤差という高精度に加え、ケースサイドにあるプッシャーで修正も容易。レーザーで描いた、ブルーに浮かぶ大小300個以上の精緻な星も美しい。
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